東西の神男が炎に立ち向かう!天下の奇祭「鳥羽の火祭り」に密着 愛知・西尾市
町民が奉納した大量のススキや他の草木が集まり、いよいよ“すずみ作り”が始まった。すずみ作りには、町の男200人以上が集結。すずみ作りの様子について、町の人々は「出来上がるところが一番感動する」「鳥羽の人たちがひとつになる瞬間、泣けてくる」と話す。
「上を通して、下に出す。こっちから順番」、「ゆっくりでいいよ、落ち着いて」などお互いに声を掛け合いながら進む「すずみ作り」。燃やすため、釘などを一切使わず、自然の物でつなぎ合わせる「すずみ」。作り方は1200年もの間、“口伝え”のみで先輩から後輩へ語り継がれ、マニュアルはないという。
すずみの中には、占いで使う「神木」という栃の木を忍ばせ、根元には“十二縄”と呼ばれる縄を巻き付ける。1基2トンある、すずみは200人全員が力を合わせて設置。1年間かけて作り上げた「すずみ」がついに完成した。 翌日、この「すずみ」が「鳥羽の火祭り」でわずか30分間で燃やし尽くされる。
ついに本番!炎からススキを掻き出す
ついに本番を迎えた「鳥羽の火祭り」。本番当日の朝、神男は身を清めるために、氷水でみぞぎを行う。さらに午後、神男と男達が“ふんどし姿”で向かった先は三河湾。全員で海に入り、寒さに耐えながら再びみそぎが行われた。寒さによる体の震えがとまらない東の神男・野口さん。周りの男達が体をさすり、野口さんを寒さから助けていく。
そして、夜は灼熱の火祭り。「鳥羽の火祭り」では、東と西地区の燃えたすずみから“神木”と“十二縄”を取り出し拝殿へ奉納し、早く奉納できた方が今年は豊作になるといわれている。火祭りを見るため、境内には町の人口の3倍以上にあたる、約7000人が集結。神男・野口さんが勤務する学校の教え子たちも駆けつけた。「大役を務める先生の活躍を見たかった」と野口さんの活躍に期待を寄せる教え子たち。
すずみに点火されると、ついに祭りが開始!男たちは火から身を守るため、頭巾をかぶり、火に向かっていく。力ずくで外側の竹をくずしにかかる男たち。続いて、太鼓の合図と共に神男が持つ「ゆすり棒」が登場し、すずみを突いて壊していく。