米大手航空各社、米中結ぶ旅客便を追加承認しないよう米政府に要請
(ブルームバーグ): 米大手航空各社は、中国の「弊害のある非競争的な政策」により米国の航空会社が不利な状況に置かれているとして、バイデン政権に対し米中間を結ぶ航空便増便の追加承認をやめるよう求めている。
ブリンケン国務長官とブティジェッジ運輸長官に宛てた11日の書簡によると、航空各社と組合は「中国の航空市場の成長が抑制されず、市場でのアクセスの平等性への配慮がないままの状態が続くのであれば、米国の労働者と企業を犠牲にして中国の航空会社に航空便が奪われ続ける」とした。
この書簡には、業界団体エアラインズ・フォー・アメリカ(AFA)のほか、航空機パイロット協会(ALPA)と旅客機パイロット協会(APA)、客室乗務員組合(AFA-CWA)など労働者グループを代表する複数の組合の署名がある。この書簡についてはロイター通信が先に報じた。
米中を結ぶ航空便は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う渡航制限で減便された後、徐々に回復しているものの、運航便数はコロナ禍前の週平均340便を大幅に下回っている。米当局は2月、中国の航空会社に対し、3月31日から米中間の往復便を週35便から50便に増便することを認めると発表していた。
米国の航空各社と労組は書簡で、コロナ禍で実施された中国市場へのアクセスの厳しい制限が運航や顧客、乗務員に影響を与えたと指摘。2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、米航空会社がロシア領空を通過できなくなっているのに対し、中国の航空会社はロシア領空での飛行が引き続き可能であるため、ますます非競争的な関係となっていると主張した。
原題:US Airlines Urge Officials to Block Additional China Flights (1)(抜粋)
--取材協力:Jacob Gu.
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Mary Schlangenstein