小池百合子氏「有罪・失職」を元側近弁護士が告発!「悪質性あり特捜動く」公職選挙法違反の可能性を指摘
7月22日、「小池百合子都知事」がXでトレンド入りした。都知事選からはや2週間。ネットでは石丸伸二氏や、蓮舫氏の話題ばかり目立つが、小池氏が久しぶりに注目された理由は、前日の21日に放送された『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)での小池氏に対する “爆弾告発” にあった。 【写真あり】犬の散歩をする小池百合子 発言の主は小池氏の元側近で、弁護士の若狭勝氏。若狭氏は、都知事選で3選を果たした小池氏が、有罪・失職する可能性について言及したのだ。 「番組で、若狭氏は都内52の市区町村長が小池氏に知事選出馬を要請したことに対し、都民175人が公職選挙法違反(公務員の地位利用)容疑で小池氏への告発状を東京地検に提出している件について取り上げました。 若狭氏自身、東京地検特捜部長だった経験から、この疑惑について犯罪が認められる可能性が高いとして、小池氏の有罪、さらには都知事失職の可能性について語ったのです」(週刊誌記者) もし現実となれば、小池氏は万事休すだ。いったい何がそれほど悪質なのか。「番組では語り切れなかった」という若狭氏本人に、改めて「小池氏有罪、都知事失職」の可能性を聞いた。 「問題とされている『公務員の地位利用』とは、『国や地方公共団体の公務員は、職務上の影響力を用いて第三者に働きかけるなど、その地位を利用した選挙運動をすることができない』と規定するものです。 今回の出馬要請は、まさに『公務員の地位利用』に抵触する可能性がある。小池知事は、他にも学歴詐称などで告発されていますが、そのなかでも、この事件がもっとも処罰に至る可能性が高いと思います」(若狭氏、以下同) 改めて振り返ると、事の発端は、5月28日。都内62市区町村の約8割にあたる52市区町村長が、小池知事宛てに「3期目を目指し立候補されることを期待し、ここに支持を表明する」という旨の「出馬要請文書」を送ったことにあった。 5月30日には出馬要請文に名を連ねた一人である大坪冬彦・日野市長が『小池知事側から支援してくれますか? という打診があった』と明かしている。これに対し、小池知事は翌日の定例記者会見で『私からの依頼はしておりません』と釈明した。 「小池知事が候補者として推薦、支持されることを想定しながら、実際に出馬要請に関与していれば間違いなくアウト。直接の関与でなくても、間接的に何らかの援助をしたり、あるいは誰かが出馬要請することを容認しただけでも公選法に問われます」 ではなぜ、それほど “悪質” なのか。 「各市区町村長は、それぞれ地元の有権者の支持を得て首長になっているわけです。地元の首長が、小池知事を支持しているとなれば、有権者も小池支持になびく可能性は大きい。 投票に大きな影響を与えるわけです。それだけではありません。出馬要請文に関与した52市区町村の首長らも罪を問われる可能性がある。事件の広がり、影響力を考えれば、とくに悪質だといえるのです」 たとえ疑惑があっても、実際に検察が動くかどうかは別問題だ。とくに、最近の自民党の「政治とカネ」の問題を見ても、東京地検特捜部には政治に忖度するというイメージが拭えない。だが、今回、特捜部は「本気だ」という。それは事件としての “筋” がいいからだと、若狭氏は語る。 「特捜部が事件を真剣に捜査するか、あるいはアリバイ的に仕方なくやるか。その見極めは、事件の “筋” がいいかどうかにかかってきます。事件の “筋” がよければ、特捜部は真剣に捜査するんです」 ではなぜ、今回の事件の “筋” はいいのか。 「証拠収集の難易度が低いからです。今回の首長のなかには『反小池』の人もいますし、小池さんに積極的には肩入れしたくないが、不承不承、依頼文に名を載せただけという人もいるでしょう。 そういう人からは証拠の収集がしやすいので、調べていくうちに事件の全貌が明らかになる可能性が高い。 しかも、今回は出馬要請文という証拠物がある。この文書が誰のパソコンで作られたのか。その際のメールのやり取りはどうだったのか。そういう証言を拾っていけば、証拠は相当、集まるはずです。 また、今回、誰がいちばん得をするかといえば、当然、小池知事です。小池知事は出馬要請文がなくても当選できたはずですが、ただ、『みんなから出てくれと言われたから出た』という大義名分が欲しかった。それが要請文という形になった。動機づけが素朴でわかりやすいから、事実認定がしやすいのです」 そして、被疑者(容疑者)の弁解を崩しやすいことも理由の1つだという。 「小池さんは、要請文作成には関与していないと弁解していますが、小池さんのまったく知らないところで、部下や周りの人が小池さんの意向を無視して、出馬要請文を書くということは、まずありえない。 逆に、多くの首長が今回、出馬要請文に関与しているので、そういう人たちから供述を引き出せば、小池さんの弁解は簡単に覆せるわけです」 こうした理由から、小池氏が立件される可能性が高いと若狭氏はいうのだが、その結果、有罪となったとき、小池氏は当然、職を失うことになる。 「公務員の地位利用罪は、ときには懲役刑や禁錮刑もある重罪です。小池さんの場合、少なくとも罰金刑には問われるでしょうが、判決が確定した時点で公民権停止となりますから、当然、都知事は失職することになります。 小池さん本人が最高裁まで争えば、判決までに4年くらいかかるので、都知事の任期は終わっているはずですが、ただ、世論が許すかどうか。 公選法違反ではないが、舛添要一さんや猪瀬直樹さんも、それぞれ世論の批判を受けて都知事を辞職しています。小池さんも自ら辞めるという選択肢も、一般論としてはあり得る」 そもそも、若狭氏は、小池知事の最初の都知事選をともに戦った元側近でもある。そんな小池氏の “手駒” だった若狭氏が、小池氏を告発するのには理由がある。 「8年前、小池さんは自民党都連をブラックボックスと呼び、その閉鎖性や利権構造を追及していた。それに私は思いを致して、小池さんを推したわけです。 しかし、今の小池さんは変貌してしまった。批判したはずの自民党幹部と一緒になって動いている。そして、こういう告発事件まで引き起こしてしまった。 私は法律家ですから、犯罪があればきちんと処罰されるべきだと考えている。だから小池さんを告発するのです」 小池氏は、若狭氏のこの言葉を何と聞くのだろうか──。