【世界卓球】「自分が一番の味方であり、一番の敵」。中国の壁を破るため、張本智和が語ること
◇世界卓球2024(団体戦) 2月16~25日 韓国・釜山 男子準々決勝の中国戦、2番で王楚欽から1ゲームを先取するも、2ゲーム目から3ゲーム連取を喫して敗れた張本智和。前回の成都大会では同じく2番で張本が王楚欽を破り、伝説の一戦の幕が開けたが、「2年前と違って、1ゲーム目を取っても相手はまったく崩れなかった」と張本は試合を振り返った。 ●男子第2ステージ・準々決勝〈日本 0-3 中国〉 2番:張本智和 11-8、2-11、7-11、6-11 王楚欽 「一撃で決められてブロックすらさせてもらえない。さわることすらできないくらい速いボール、強いボールが来た。パワーの違いも感じました。ラリーになれば勝負ができても、前半のサービス・レシーブからの展開をもっと練習したい」(張本)
試合を通じて印象に残ったのは、王楚欽のミドル攻めのうまさ。要所で張本のフォアミドル、絶妙なコースへボールを打ち込んできた。張本のミドル処理も確実に強化されており、「今までブロックやロビングになってしまったところも打てるようになってきた」と語るが、試合が進むに連れてより厳しくミドルを攻められた感がある。 「2ゲーム目以降、どんどんミドルに詰められて苦しくなった。あそこに強いボールを打ってくるのは王楚欽と林昀儒くらいですけど、ラリーの中で唯一そこがまだ弱点なのかなと思います。そういう選手にちゃんと勝つには練習が必要ですね」(張本) そして3ゲーム目に張本が7-10とゲームポイントを握られた場面で、王楚欽が初めて巻き込みサービスを出し、張本がレシーブをネットミス。4ゲーム目に2-4で張本がリードされた場面でも、巻き込みサービスに2本続けてネットミスが出た。そのサービスにも、王楚欽の智略が隠されていた。 「あのミスだけを見れば凡ミスに見えるかもしれないですけど、WTT(男子ファイナルズ)ドーハ(24年1月)で対戦した時に1球、伸びる巻き込みサービスを出された。今回それをずっと警戒していたんですが、1球も出されなかった。あの下回転の巻き込みが取れなかったというより、伸びるのを待ちすぎた結果ですね。それも相手の引き出しの多さ。『次来るかな』と思ったらずっと来なかったので、そこは組み立てがうまいなと思いました」(張本)