【世界卓球】「自分が一番の味方であり、一番の敵」。中国の壁を破るため、張本智和が語ること
安定感はまさしくエース。得点パターンもより多彩に
2年前の世界卓球成都大会で届かなかった中国戦の勝利はならなかったが、今大会の張本の安定感はまさしくエース。攻撃だけでなく台上でも守備でも点を取ることができ、得点パターンはさらに多彩になった。「今大会はフォア側に来たボールをブロックするところ、1本も見てないですよね」と田㔟監督。バック対バックやミドル攻めからフォアに送られたボールに対しても、確実にフォアドライブで打ち返すことができていた。 「今回は中国と早いラウンドで当たってしまいましたけど、それ以外の試合ではほぼ完璧にプレーできた。韓国やフランス、ドイツあたりとやってみたかったですけど、今回でいえば合格点かなと思います。ラリー力はついていると思うので、ラリーにつなげるサービス・レシーブの部分を練習すればもっと強くなれるんじゃないかと思います」(張本)
「自分自身が一番の味方でもあり、一番の敵でもある」(張本)
7月のパリオリンピックまでは半年を切った。オリンピックで勝つために超えられない壁、それはシンプルに「中国という壁」だと張本は語った。 「メダルを獲るのもひとつの目標ですけど、金を獲りたいなら中国に勝たないといけない。中国に勝つには、自分自身が一番の味方でもあり、一番の敵でもある。自分が練習を頑張れば結果はついてきますし、頑張らなければ強くなれない。毎日、一日一日、自分に勝てるかどうか、苦しい練習ができるかどうかが大事なのかなと思います」(張本)。 自分自身が一番の味方であり、一番の敵。またしても「名言」は出た。それは妹・美和が語った、「1球1球全力でしっかり取り組んで、無駄な1球にしないように練習することが大事」という言葉にも通じるものだ。張本智和、20歳。その成長はまだまだ止まらない。