山崎伊織が巨人の“天敵”阪神・村上撃ち先制打!同学年初対決でともに7回5安打1失点も「粘れず申し訳ない」
◆JERA セ・リーグ 阪神1―1巨人=延長10回雨天コールド=(16日・甲子園) 【動画】山崎伊織がバント練習 投げて打っての躍動も、勝利には結びつかなかった。山崎伊が7回5安打1失点の力投も、2勝目はならず。プロ入り後初の聖地での勝利もお預けとなり、「野手の方に助けられたところがいっぱいありましたが、最後は粘れず申し訳ないです」と振り返った。 序盤から粘りを見せた投球。初回は先頭・近本への四球をきっかけに1死一、二塁を招いたが、大山を中飛に抑えた。なお2死一、三塁では佐藤輝をフォークで空振り三振に。4回1死一、二塁ではノイジーの二塁後方へ落ちそうな打球を吉川が好捕。テンポの良い投球と「坂本さんや尚輝さんがいいプレーで助けてくれた」と守備にも感謝しながら無失点投球を続けた。 悔やんだのは1―0の7回。1死二塁で味方の挟殺プレーが痛恨のオールセーフとなり、1死二、三塁から代打・糸原の右犠飛で同点に追いつかれた。「よく言えば1点で粘れたんですけど、内野ゴロか三振が欲しかった場面でフライを上げられたので、あそこがダメだった」と唇をかんだ。 もはや二刀流の姿も見せた。3回1死三塁。2ストライクから「前に飛んだら何かある。三振だけないように」と村上の低めフォークを鮮やかにはじき返した。中前への技ありの一打が先制打。昨季チームは村上相手に2試合13イニングで適時打は0だったが、同学年の打撃自慢がその天敵を撃った。さらに今季3試合でタイムリーは2本目。プロ通算でも得点圏打率は19打数7安打で打率3割6分8厘と勝負強さが光る。 東洋大出身の村上とは、東海大時代に大学日本代表で共闘。ともに4年秋は故障もしていたが、昨季は10勝を挙げ、相手はMVPと、ともに大きく飛躍。そしてカード頭を担い、プロでは初の投げ合いだった。「すごく仲良かったです。そこからこうやって火曜日に投げ合えるのは、すごくうれしいですし、もっと頑張らないと、と思います」。互いに刺激し合うかのような投球も、また甲子園を沸かせた。 杉内投手チーフコーチは「よう頑張った。流れが悪い中で逆転を許さなかったから」とし、1―0の7回2死一、三塁で代打を出さなかったのも「もちろん、ウチのエース格なんでね」と厚い信頼を口にした。熱い気持ちを、次戦でも白球に乗せ続ける。(田中 哲)
報知新聞社