オリバー・ローランド（ニッサン・フォーミュラEチーム）

　3月28日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦している日産自動車（ニッサン）は、2030年まで同シリーズにエントリーすることを締結する公式登録書に、シリーズの最高経営責任者であるジェフ・ドッズ氏とともに署名をしたことで、参戦継続を正式決定したと明らかにした。 【写真】ニッサン・フォーミュラEチームの（左から）オリバー・ローランド、トマソ・ヴォルペ、サッシャ・フェネストラズ 　ニッサンは、2世代目マシンのGEN2が導入された2018／19年“シーズン5”より、パワートレイン・マニュファクチャラーとして同シリーズへの参戦を開始。そしてGEN3マシン導入年の2022／2023年“シーズン9”からは、ともに参戦を行ってきたe.ダムスを買収し、ニッサン・フォーミュラEチームとなって戦いを続けている。 　2023年はチームの本居地をパリに移転し、優れた設備を整えたことでさらに競争力を高めてきた。そんなニッサンは参戦継続を正式決定となったことで、2030年まで同シリーズへの参戦を表明した最初のメーカーとなり、初参戦から12年間継続して参戦し続けることになる。 　そして、2026／2027年“シーズン13”から2029／2030年“シーズン16”は、次世代マシンとなるとなる『Gen4』マシンが導入され、フォーミュラEは革新的な電動化技術を開発する舞台としてさらに進化を遂げる。 『Gen4』マシンには最先端の技術を採用することで運動効率が向上し、エネルギー回生量は最大700kw（951.7PS）、最大出力は600kw（815.8PS）に達する見込みとなっている。さらなる速さを手にすることとなるGEN4マシンの導入を前に、参戦の確定はその開発をさらに加速させる一因になり得るだろう。 　フォーミュラEへの参戦継続決定について、日産自動車の内田誠社長はプレスリリースにて次のように述べている。 「フォーミュラEへ2030年まで継続して参戦することを大変嬉しく思います。フォーミュラEへの参戦は、ファンの皆さまにサーキットでの興奮とワクワクをお届けするだけでなく、（2021年11月に発表したニッサンの長期ビジョンである）『ニッサン・アンビション2030』で掲げた電動化の目標達成に大きく貢献する重要な活動のひとつでもあります」 「レースで磨いた電動化の技術や知見は、将来のより良いクルマづくりにおいて大きな意味を持ちます。日産はワクワクするEVレースの未来とともに、持続可能な社会の実現を目指した取り組みを推進していきます」 　また、ニッサン・フォーミュラEチームのマネージングディレクター兼チーム監督であるトマソ・ヴォルペ氏も「チームは順調に成長し続けています。2023年に移転した私たちの拠点は、将来のシーズンに向けたマシンに適した最新設備が整っており、今後の更なる成長に大きく貢献すると確信しています」と、さらなる戦いへ向けた自信を語っている。 　いよいよ開幕が近づく、チーム初のホームレースとなる2023／2024年フォーミュラE第5戦東京E-Prixは、3月29～30日に東京都江東区有明の東京ビッグサイト周辺で開催される。東京に集まる多くのファンを前に、ニッサン・フォーミュラEチームはどんな雄姿を見せてくれるだろうか。 [オートスポーツweb 2024年03月28日]