<春に挑む・’23センバツ・大分商>ベンチ入り18選手の横顔紹介/上 /大分
◇目指すは8強以上 第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に、大分商(大分市)が出場する。「日本一の元気」と「感謝」を胸に過去最高の8強以上を目指す選手の横顔を紹介する。【神山恵】 ◇下半身強化し安定感 児玉迅投手(2年) 那賀誠監督が「謙虚で人間力がある」と評価する大分商のエース。先発し、最速136キロの直球に変化球を織り交ぜた投球で試合のリズムを作る。 昨秋の九州地区大会1回戦は雨でマウンドがぬかるみ、軸足で体重を支えきれず投球が乱れた。下半身強化に取り組み、体重は9キロ増。安定感も増した。 腰のひねりを大きくするなど、力が伝わるフォームを追究してきた。「目標は球速142キロ。甲子園で達成したい」と話す。 ◇流れを変える1本を 羽田野颯未一塁手(2年) 身長182センチ、体重103キロ、体脂肪率10%。大きな体が目を引く主砲は、昨秋の九州地区大会1回戦で4打数3安打を放ち、チームを勢いづけた。 入学当初の体重は120キロ。1年冬から毎日5~10キロを走り込み、「トレル(トレーニングルーム)の番人」と呼ばれるほどウエートトレーニングに励み、体を鍛えてきた。 チームの4番として「つなぐ意識を持ち、試合の流れを変える1本を放ちたい」と意気込む。 ◇チームを救う好守備 豊田顕三塁手(2年) 四つ上の兄も大分商野球部の選手だった。甲子園出場回数が県内最多で、「県立校で最も甲子園に近いチームだ」と感じて入学を決めた。 守備がうまく、昨秋の九州地区大会準々決勝の三回1死、三塁線の鋭い打球を捕り、一塁に送ってアウトにした。那賀誠監督は「豊田の守備がなかったらもっと点を取られていただろう」と振り返る。 憧れの甲子園に向け、「つらいことやきついことも皆で乗り越えたい」と話す。 ◇自分なりの配球磨く 二宮力丸捕手(2年) 前チームでもベンチ入りした扇の要。タイプの異なる投手陣をリードし、強肩を生かした送球で相手走者の盗塁を刺す。 昨秋の九州地区大会県予選では、那賀誠監督からインコースの攻め方など配球の指導を受けた。九州地区大会では相手の構えや振りを見て自分なりに配球を考え、チームの勝利に貢献した。 「甲子園でも相手チームの特徴を研究して試合に臨み、優勝を目指したい」と闘志を燃やす。 ◇細かな気配りの主将 大道蓮二塁手(2年) 1年の時から同級生のまとめ役。細かな気配りができ他の部員が「主将は大道以外にいなかった」と口をそろえるほど信頼は厚い。 粘り強い打撃が持ち味で、昨秋の九州地区大会1回戦の第1打席では相手投手に13球を投げさせ、プレッシャーをかけた。冬場に下半身を鍛え、体重は9キロ増えた。「制服のズボンがきつくなりました」と笑う。 センバツでは「全国の人たちに感動を与えられるプレーをしたい」と言う。 ◇俊足と広い守備範囲 上田迅人遊撃手(2年) 50メートル6秒3の俊足を生かした攻撃と守備範囲の広さが強みだ。 佐伯市出身。同じ中学で憧れていた1学年上の先輩が大分商に進学し、自身も同じ道を選んだ。 二塁への送球が多少それてもそれを確実に捕球して相手走者をアウトにすることができるほど、捕球技術は高く、他の部員から一目置かれている。 憧れの甲子園で「失策したら」と不安もあるが「チームの勝ちに貢献するプレーをする」と力を込める。