北海道・祝津にある「おたる水族館」。野生のトドが寄ってくることでも有名。水族館写真をシリーズ化するきっかけとなった場所
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく 【写真】迫力満点のトドのショー * * * * * * * ◆思い出の「おたる水族館」 「シュール・ブルー」列島水族館巡りの原点を振り返ってみると、祖父母と過ごした水族館での思い出が頭に浮かびます。 北海道小樽市に住んでいた2人ですが、祖父はかつては高校の教師でした。 私をかわいがってくれた彼は、歴史や自然のことを色々と教えてくれました。 そして、小樽へ遊びに行くと、いつも連れて行ってくれた場所は、祝津にある「おたる水族館」でした。
◆撮影旅行の途中で訪れた小樽 その祖父母も他界し、小樽へ行く機会も減りました。 年月が流れ、2019年にアメリカの写真家のサム・エイベルとアーサー・マイヤーソンと日本列島を鉄道で縦断する撮影旅行をすることになり、その一部として懐かしき小樽を訪れました。 せっかくなので思い出のおたる水族館も3人で堪能しました。水族館の写真をシリーズ化しようと思ったのもその時でした。
◆気に入っている最初の写真 おたる水族館は日本海と隣接しており、野生のトドが寄ってくることでも有名ですが、子供の時はダイナミックなトドやイルカのショーなども大好きでした。 しかしこのシリーズでも特に気に入っている今回の最初の写真は、吹雪の中、来館者が渡り廊下を歩く前の水槽を泳ぐアザラシを写した一枚で、その優雅な姿は今でも心に残っています。 (撮影=野辺地ジョージ)
野辺地ジョージ