【オーストラリア】日銀のマイナス金利解除、豪から資金引揚げも
日銀が19日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の柱であるマイナス金利政策の解除を決めたことで、日本からオーストラリアへの投資が引き揚げられるリスクがある――。アナリストらが指摘している。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。 日銀が2007年以降で初めて短期金利の誘導目標をこれまでのマイナス0.1%から、ゼロ~0.1%程度に引き上げる決定を下したことにより、日本からの海外市場への巨額投資が本国に還流する可能性がある。特にオーストラリアは日本の資本にとって重要な投資先で、日本の海外総資産の約15%をオーストラリアが占めている。だが、アナリストらは、日銀が予想よりも早く金融引き締めを進めれば、こうした資金の流れが危険にさらされる可能性があると警告している。 アナリストらは、日本からの海外投資が突然、本国に還流するとは予想していないが、日本の債券市場への国内資金の流入は確実に増加するとみている。さらに、日銀が市場の予想よりもタカ派的であることが判明すれば、オーストラリアの債券市場にとってリスクとなる。野村のアナリストは「日本国債の利回りの大幅な上昇は、オーストラリア国債への関心を抑制する」と指摘している。