衝撃の『全領域異常解決室』!信じていた世界がひっくり返る驚きと爽快感
人vs人がいつのまにか人vs神へと変化する
「普通に観ていたドラマの登場人物が実は神様でした」なんて、正直かなりトンデモな展開だ。けれどもここまでの5話で「全決」の独特な雰囲気を見慣れ、現実的でありながらも不可思議なものを否定しない興玉たちに親しみを感じていると、驚きながらも「そうだったのか!」と受け入れてしまった。この感情は、5話まで豊玉妃花(福本莉子)をヒルコと疑っていた小夢が、6話冒頭で興玉も神であり、また妃花も仲間の神であると教えられたリアクションと、興玉の返答にリンクする。 「(彼女はヒルコではないと)知ってて黙ってたんですか?」 「彼女はヒルコとは別の神様なんです、と言っても、信じないでしょ?」 そう、何かを秘めているような謎の「全決」の面々が実は全員神でした、と1話で言われてもいきなりは信じられない。あるいは「そういうドラマ」として観ることで、この作品が描きたかったことを見逃していたかもしれない。ドラマの折り返しで、見える景色がガラッと変わる、なんとも面白い体験。もうひとつ妙に納得してしまった原因には、神を演じる藤原竜也の絶妙な浮世離れ感と、広瀬アリスの演じる小夢のまっすぐさもありそうだ。 ここからはもう、怒涛の展開だ。6話では1話から5話で起きた事件がヒルコによって起こされた超現実的な出来事であったこと、1話で消された人々はみな神であったことがわかり、一度納得したはずの真実が塗り替えられていく。7話では小夢自身もかつて天宇受売命(アメノウズメノミコト)という神であったこととともに、彼女が神でなくなった経緯といった「エピソード0」的な内容が描かれた。 8話ではさらに、誰にも隠されていた興玉の真実が明らかになり、また人間に紛れて暮らしている神の一人、月読命(ツクヨミノミコト)である佃未世(石田ひかり)が人間のおぞましい部分に触れて自らその存在を消すという悲しいできごとが起きた。人vs人だと思っていた物語が神vs神に、そして神vs人へと移り変わっていく。