今年の世界成長率予想を上方修正-スタグフレーション回避とOECD
ただ、紛争の影響でエネルギー価格やインフレ率が押し上げられる可能性があるほか、サービス業ではコスト圧力の緩和が予想よりもゆっくりとしたものとなるかもしれないとして、各国・地域の金融当局は慎重であるべきだとの見解を示した。
「基調的なインフレ圧力を持続的な形で確実に抑制するよう、引き続き用心深い金融政策運営に当たるべきだ」としている。
このほか各国政府に関しては、借り入れコストの上昇の影響が波及するのに伴い、一層拡大する恐れがある多額の債務負担に対処する上で、経済情勢の改善は好機となると論評。各国は人口高齢化や気候変動対策、防衛力強化の必要性などにより、歳出増を求められるだろうと警告した。
チーフエコノミストのロンバルデリ氏は「財政状況は中長期的に見て懸念すべきものだ」と述べるとともに、「歳出抑制と歳入増強に加え、成長を高める構造改革に重点を置いた政策的取り組みへの堅固な中期的アプローチが全て求められる」とコメントした。
世界経済を巡っては、国際通貨基金(IMF)も先月、今年の成長率見通しを小幅上方修正していた。
原題:World Economy Looks to Dodge Stagflation Rut as Outlook Perks Up(抜粋)
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William Horobin