中国の億万長者が3分の2に減少…経済の低迷と政府の取り締まりを反映か(海外)
中国のシンクタンク胡潤研究院が発表した2024年版の長者番付によると、2021年の最高値の億万長者1185人から、432人が減ったという。 これは中国の経済低迷と政府による超富裕層への取り締まりを反映している。 富裕層には、中国から資産を隠れて持ち出す方法を模索している者もいる。 毎年発表される長者番付によると、中国の億万長者の数は、経済の困難と政府の取り締まりの影響で、2021年から3分の1も減少した。 1999年以来、中国の億万長者を追跡する民間シンクタンク胡潤研究院の億万長者ランキングによると、億万長者の総数は2021年に1185人でピークに達し、現在は432人減の753人で全体の36%が減少した。 中国の一部の富裕層は身を潜めたり、国外に出たりすることを選択しており、密かに資産を持ち出すようになったためだという。
古参は退場
不動産業界を中心とする古くからの大物実業家たちは、テクノロジー、エネルギー、eコマースを原動力とする新しいグループに道を譲りつつある。 2024年のこの胡潤ランキングでトップに立ったのは、ティックトック(TikTok)の親会社であるバイトダンス(Bytedance)創業者の張一鳴で、資産は493億ドル(約7兆5600億円)だった。 バイトダンスの2023年の世界での売上高は30%増の1100億ドル(約16兆8500億円)となり、ティックトックのアメリカのユーザー数は2億人に迫っている。バイトダンスは中国のユーザー向けに別のアプリ、ドウイン(Douyin、抖音)を運営している。 張一鳴は、資産額479億ドル(約7兆3366億円)で2位に転落した飲料会社農夫泉の社長、鍾睿睿に代わって首位に立った。鍾氏の資産額は24%、約155億ドル(2億3743億円)減って2024年で最大の減少額となった。 「胡潤の中国富豪ランキングに載った個人の物語は中国経済の物語を表している」と胡潤の会長兼主任研究員であるルパート・フーゲワーフ(Rupert Hoogewerf)は語った。 「リチウムバッテリーメーカーCATLのロビン・ゼン(Robin Zeng)のような人物は、10年前にはランク外だったし、ソーラーパネルメーカーのロンジ(LONGi)の李振国もそうだった」 「2024年のランキングの新顔のほとんどは、半導体産業に支えられて比較的堅調な株式市場を享受している台湾出身者だ」とフーゲワーフは語っている。 フーゲワーフは、ランキングは現在の国籍に関係なく、18歳以上の「中華圏で生まれ育った、あるいはキャリアをスタートさせ、現在も大中華圏に住んでいる」人々だけが対象になっているとBusiness Insiderに話した。