森保ジャパン 26年W杯王手 完全アウェー“妨害”にも動じず中国撃破 3戦残し史上最速出場決定へ
◇W杯北中米大会アジア最終予選C組第6戦 日本3ー1中国(2024年11月19日 中国・アモイ白鷺体育場) 【写真】試合会場のピッチには幅を縮めているような痕跡が見られた 26年W杯北中米大会アジア最終予選C組第6戦が19日に行われ、日本は中国を3―1で撃破した。完全アウェーの中、森保一監督(56)は先発を5人入れ替え。前半39分にFW小川航基(27)が左CKから豪快なヘッド弾で先制点を決めるなど2得点の活躍でけん引した。日本は勝ち点を16まで伸ばし、来年3月20日のバーレーン戦(埼スタ)に勝てば無条件で3試合を残し、過去最速での8大会連続W杯出場が決まる。 W杯切符に王手をかけた。国歌斉唱も、日本コールも中国サポーターの大ブーイングでかき消された完全アウェーの一戦。相手は徹底したロングボールとファウルすれすれのプレーを仕掛けてきた。それでも先発を5人入れ替える大胆采配でチーム力を見せつける快勝。森保監督は「厳しい戦いを覚悟しながら、耐えるときは耐えて、セットプレーでチャンスをものにした。選手たちがタフに戦ってくれた結果の勝利だった」と称えた。 ピッチも完全アウェーだった。本来設定されたタッチラインは前日から消され、白線は両サイド計約3メートル内側に引かれた。国際サッカー連盟は縦105メートル×横68メートルを推奨。横幅は明らかに狭く、前日にチームで情報共有されたが、指揮官は「ホームチームがルールの中で決めること。我々は決められたルールで戦う」と冷静だった。幅は規約内とはいえDF陣をよりコンパクトに保ち、日本のサイド攻撃を封じる狙いがあったとみられる。 ただ、皮肉にも日本の得点は全てサイドから生まれた。最初の2得点はいずれもCKから。小川の3点目も伊東の右クロスからだった。久保が倒された前半33分には突如、中国サポーター1人がピッチに乱入。GK鈴木の目の前まで走り、目にレーザーを当てるアクシデントもあった。それでも屈しない。先制点はその6分後。動揺はなかった。 3月に長友を招集し、9月から長谷部コーチを入閣させ、チームの輪をさらに強固にした指揮官。選手起用では鉄則を貫いた。過去に1度、南米の強豪との対戦である選手に守備を免除したことがあった。だがその選手は徹底マークに遭い、同サイドから複数失点。その試合をきっかけに“守備ができない選手は使わない”と決めたという。1次政権ではスーパーサブだった三笘も、プレミアリーグで守備も強化。絶対的エースになった今は「(伊東)純也と(三笘)薫は一番、守備がうまい」と絶賛する。 歴代最多を更新する国際Aマッチ27戦連続ゴールで年内最後のアウェー2試合を連勝で飾った。「我々は世界一になるという高い目標を持ちながら、目の前の試合に全力を尽くす」と森保監督。来年3月20日、バーレーンに勝てば無条件でW杯切符を手にする。 ▽日本の次戦W杯出場決定条件 日本が来年3月20日バーレーン戦に勝つと勝ち点19。他の5チーム中2チームが勝ち点19に届く可能性が消えたため、3試合を残してC組2位以上でのW杯出場が決まる。引き分けて勝ち点17としても、他国の結果次第では2チームが17に届かなくなり、突破の可能性がある。