【全日本大学駅伝】篠原倖太朗は前後半どちらの主要区間? 平林清澄はアンカー? 6チームの監督が理想の展開や当日変更を語る
前田康弘監督「問題なければ、3枚代え」
出雲駅伝を制し、全日本での「二冠目」に挑む國學院大の前田監督は、「出雲に勝ってからもチームは順調に練習を消化している。選手たちも自信を持って、スタートラインに立てる」と伊勢路初優勝への手応えを口にした。メンバーエントリーについては「隙のないオーダーが組めたんじゃないかと思います」。武器は、選手層の厚さ。出雲駅伝でも4区野中恒亨(2年、浜松工業)、5区上原琉翔(3年、北山)のつなぎ区間で区間賞を獲得したことが、流れを引き寄せた。「そこが一つのストロングポイントになっている」 注目の平林は補員。上原や5月の関東インカレ男子2部ハーフマラソン3位の高山豪起(3年、高川学園)もいまは補員で登録されている。前田監督は「問題なければ、3枚代えをすることになります」とした上で、他のチームのオーダーも見ながら、平林は後半区間に投入することになるだろうという見方を示した。 8区の日本人最高記録を持つ渡辺康幸さんからは、國學院大以外の監督に「平林選手が仮にアンカーなら、どれぐらいの貯金が欲しいか」という質問が投げかけられた。「やはり1分は欲しい」(原監督)、「1分から1分半は欲しい」(藤原監督)という答えが挙がる中、藤田監督だけは「同着で来れば勝てる」と語った。「平林君は強い。ただ、負けるという意識は指揮官として持ちたくない。そこにチャレンジしていきたい」
中大・創価・早稲田も理想のプラン明かす
出席したチームの中では唯一、10月19日の箱根駅伝予選会を経験している中央大。藤原監督は、「予選会を走っていない選手たちを少し多めに登録することができた。全体として強化をしてきた成果かなと思います」と話す。1区にエントリーした溜池一太(3年、洛南)は9月20日前後に故障があり、箱根予選会は出走せず、伊勢路に照準を合わせてきた。7区の吉居駿恭(3年、仙台育英)も箱根予選会を回避し、万全の状態。当日変更について「うちは無いです」と言い切った。 出雲駅伝を4位で終えた創価大学は、チームの目標を「3位以上」に掲げるだけに、駒澤、青山学院、國學院の「3強」を切り崩したい。出雲駅伝の直前にケガがあり、出走回避を余儀なくされたスティーブン・ムチーニ(2年、ミクユニ)と出雲2区区間賞の吉田響(4年、東海大静岡翔洋)の2人は、当日変更で出走する予定。「4区か5区あたりまでに先頭に立てれば理想的」とプランを描く。 前回大会でシード権を逃し、関東地区選考会から勝ち上がってきた早稲田大は、主力選手を隠すことなく、区間に配置した。花田監督は「他大学のエントリーを見ると、メンバー変更がありそうなので、また展開が変わりそう」としつつ、早稲田の強みに関しては「前半に自信があるオーダーを組めた。自分たちの力をしっかり出せば、十分に上位校と勝負できる」。出雲でも後半区間を担った7区の長屋匡起(2年、佐久長聖)と最終8区の工藤慎作(2年、八千代松陰)にどの位置で渡せるか。
井上翔太