【甲子園】オープニングセレモニーでの「期待感」がそのまま体現された開幕試合
シーソーゲームの展開
【第106回全国高等学校野球選手権大会】 1回戦 8月7日 第1試合 滋賀学園(滋賀)10-6有田工(佐賀) 1924年8月1日に開場した阪神甲子園球場。完成からちょうど100年。甲子園開会式(7日)は祝福ムードに包まれた。これほど選手、関係者、ファンから愛される球場もない。 大会会長である主催者の朝日新聞社・中村史郎会長は開会あいさつでこう言った。 「ここ阪神甲子園球場は、誕生から100年を迎えました。当時『東洋一』と言われた球場は、この選手権大会のためにつくられました。春のセンバツ、女子硬式野球の決勝も行われ、すべての高校球児の聖地となっています。高校野球を支えてくれたことに、感謝を伝えたいと思います。『阪神甲子園球場、ありがとう!!』」 盛山正仁・文部科学大臣は地元・兵庫県西宮市の甲子園口で育った背景もあり、愛着たっぷりに祝辞を述べた。 「誕生から100年を迎えたこの夢の舞台で、今年も皆さんがつくる新たなドラマが、私たちに感動を届けてくれることを期待します。フランスで頑張っているオリンピック選手に負けないよう、この優勝旗を目指し、球児諸君の健闘を祈ります。全力を尽くしてください!」 オープニングセレモニーでの「期待感」が、そのままグラウンド上で体現された。有田工(佐賀)と滋賀学園(滋賀)の開幕試合は、シーソーゲームの展開。7回終了時で4対4。得点だけでなく、安打、失策数も同じという大熱戦が繰り広げられた。滋賀学園は8回表に4点を勝ち越し、9回にも2点を追加。10対4と一方的な展開となったが、粘る有田工も9回裏に2点をかえして、最後のアウト一つまであきらめない姿勢を見せた。 2万9000人の観衆も開幕試合から大熱狂だ。この日は午前の部と、夕方の部に分かれての初開催(第1試合と第2・第3試合は客の完全入れ替え)。第1試合を終えたスタンドのファンは高校野球を堪能し、球場を後にした。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール