ウクライナ大統領、要人警護担当トップを更迭-暗殺計画で2人拘束後
(ブルームバーグ): ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、要人警護を担当する国家警備局のトップを更迭した。この数日前にはロシアが企てたゼレンスキー氏暗殺計画に関与したとして、同局の大佐2人が拘束されていた。
ゼレンスキー氏はセルヒー・ルディ国家警備局長を解任する大統領令に署名した。ルディ氏は大統領個人の警護を担当するチームを率いた後、2019年に同局長に就任。大統領を狙う暗殺計画はこれまでに多数あったと伝えられているが、ルディ氏は2022年2月のロシアによる侵攻開始後もその地位にとどまっていた。
ゼレンスキー氏は3月初め、イタリア放送協会(RAI)とのインタビューで、「情報当局によると、これまでに10回の暗殺未遂があった。自分は数えていない」と述べていた。このインタビューは、港湾都市オデーサを訪れたゼレンスキー氏とギリシャのミツォタキス首相を狙ったかのようなロシアのミサイル攻撃があった後間もなく行われた。
大佐2人の拘束はロシアのプーチン大統領が5期目の就任宣誓をした7日で、要人警護を担う警備局の高位当局者の中から反逆罪での逮捕者が出たのは初めてだった。ウクライナ保安庁(SBU)によると、暗殺計画はゼレンスキー大統領のほか、ブダノフ国防省情報総局長、マリュクSBU長官ら政府高官を標的としていたが、失敗に終わったという。
原題:Zelenskiy Fires Bodyguard Chief After Arrest of Two Officers(抜粋)
--取材協力:Aliaksandr Kudrytski.
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Olesia Safronova