【プレミア12】辰己涼介、野球やっていなかったら「射撃ですね。トークも的を射るのうまいので」
<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:台湾ー日本>◇24日◇決勝◇東京ドーム 侍ジャパンのスターこと、スナイパー辰己涼介外野手(27)が、台湾の的をぶち射る。パワフルで柔軟な打撃、その華麗な守備、雷のようなスピードで球界を突っ走るが「野球をやっていなかったら? どんな人生を歩んでいたのだろうか…」。 純粋な興味で、質問を投げかけると「いや、僕は社会不適合者なので」と真顔で返した。「働くとか無理なので。この野球に賭けてましたよ」と自らの手で、狙い通りの人生を切り開いた。 ただ、話には続きがあった。と言うか、辰己らしさは、ここからだった。「野球やっていなかったら、オリンピアンでしたね。僕、身体能力高いんでね」と、こちらも真顔で打ち出した。「あの~競技は何でしょうか?」と恐る恐る尋ねると「射撃ですね。トークも的を射るのうまいのでね」と続けた。呆気に取られていると、辰己の眼光は鋭さを増した。「ガチですよ。真剣に。野球引退したら考えていますから」。パリ五輪で有名となったトルコの「無課金おじさん」を超える? スナイパー辰己の爆誕が楽しみでならない。 プレミア12の連覇は射程圏内。ここまで7試合で打率は3割8厘。17日キューバ戦でソフトバンクのモイネロから右肘に死球を受け、18日ドミニカ共和国戦を欠場したものの、スーパースターはスーパーラウンド初戦の21日米国戦から戦列に復帰した。台湾との決勝を前に、グッスリと睡眠はとれたようだ。「夢は見ていないですね。打席に立ったら、舞い降りてくる。僕は自分のための大会になると思っているから、必ず舞い降りてくると思っています」。プレミア12が始まる前に、セリーナ夫人から「必ずあなたのための大会になる」と“お告げ”された。ラスト1試合。MVPもあきらめていない。全ての野球ファンのハートを撃ち抜く、プレーを魅せる時が来た。【栗田尚樹】