無駄な労力をかけずに「上司の期待値を超える」仕事術
指示を出す側、受ける側双方が、共通認識をもち、期待値を明確にする
以上の4つの項目を確認し、曖昧な部分があれば、お互いに明確にし、共通の認識をもつこと。これが、期待値を把握するということであり、別の言い方をすれば期待値を「マネジメントする」ということです。 これは、部下の側だけではなく、仕事を依頼する上司の側から見ても重要です。部下が時間をかけて仕事をした結果、役に立たないものをもってくる、そんなリスクを避けるためにも、この4項目をふまえた明快な指示を出してください。 新人のときから上司との間でこれができるように経験を積んでいけば、社外の人を相手にしたときも、同じようにできるようになります。ただし、クライアントは、上司とは違って、いちいち明確には言ってくれない、もしくはそもそも明確になっていないこともあります。こちらからコミュニケーションをリードして、確認をとる必要があります。 この「期待値のマネジメント」は、コンサルタントや営業職だけに求められる能力のように聞こえるかもしれませんが、技術サービス、カスタマーサービスといった直接顧客と接する仕事はもちろんのこと、総務・経理・秘書・アシスタントなど、社内向けの部署に勤めるすべての人にとって重要な基本です。 すべての仕事には、なんらかの相手が存在します。その相手の期待値を把握して、それに常に応えて、ときに上回るようにしていくこと。これによって、あなたの評価は着実に高まります。そして、期待値が把握できれば、無駄な労力をかけずに相手が満足する仕事ができるようになりますので、結果的に仕事の効率も上がっていきます。
大石哲之(作家、投資家)