無駄な労力をかけずに「上司の期待値を超える」仕事術
相手が求めるクオリティ(期待値)を、質問によって推し量る
「クオリティ」は、期待値にもっとも関係してくる部分です。相手は、どのくらいのクオリティのものを求めているのか? 先ほどのコミュニケーションでは、それぞれの点について、資料1枚と言っています。資料1枚というのは、本当にざっくりとした概要を伝えるといったレベルです。 ここで上司が、「いや、それぞれ3、4枚にはなるんじゃないか」と答えたとしたら、ざっくりと言いながらも、それなりに細部までしっかり調べてくることを期待していることがわかります。 項目数を尋ねてみるのもいいでしょう。4つでいいのか、それとも10項目にわたって、詳細に調べるのか。それによって、相手が求めるレベルがわかります。 さらに、資料の作成目的によっても、レベル感は推し量られます。顧客に提出する資料などに盛り込むような正確さが要求されるものなのか、それとも社内会議のための資料なのか、はたまた、上司の頭の中に参考としてインプットするためのものなのか。それぞれで達成すべきクオリティのレベルは違います。 スピード感についても、時間をかけても100%正確につくるべきものなのか、それとも、明日の会議で使うから期限のほうが大事なのか、そこからも期待されるレベル感がわかります。 3日の100点を求めているのか、3時間の60点を求めているのか。事前にしっかり確認しなければ、上司の期待を満たすことはできません。そうして期待値を把握したうえで、その期待以上の成果物をもっていくのです。期限を優先している場合は、当然何があっても、時間厳守です。
優先順位と緊急度を把握する
いま、最後にお話ししたスピード感、すなわち、優先順位、緊急度を把握することは、相手の期待に沿うという意味で、とても大事なことです。たとえば、緊急度が高く、絶対に明日までにほしい資料があったとします。そういう場合は、間に合うことがもっとも大事なことです。その場合、締め切りをすぎて100%の完成度の資料をもっていっても、なんの役にも立ちません。 いつまでに必要なのか。1日か、3日か、1週間か。それとも、手が空いたらできればやってほしいくらいなのか。また、その締め切りは絶対なのか、もし締め切りを過ぎたら用をなさなくなるものなのか。それとも締め切りは、あくまで完了してほしい目安を意味しているのか。 さらには、別に命じられている仕事や自分のルーティンの仕事がある場合、どちらを優先させるべきかを確認することも重要でしょう。特に、命令系統が複数にまたがっていて、別の人からも緊急の要件を依頼されている場合など、自分では判断できませんから、上司同士で話し合ってもらう必要が出てきます。そういう場合の優先度は、新人の場合、自分で判断しないことが重要です。