幻想的なおとぎばなしの世界 文化財の「百段階段」で体験
夏に鑑賞する展示会は、涼しくなりそうな演出がうれしい。ホテル雅叙園東京(目黒雅叙園・東京)では、東京都指定有形文化財「百段階段」で「和のあかり×百段階段2024 ~妖美なおとぎばなし~」を開催している。幻想的な演出が暑さを忘れさせてくれる展示。9月23日までだ。 おとぎばなしの世界に引き込まれる緻密なストーリー設定で、幻想的な写真撮影がかなうことでも来場者の人気を集めている。たとえば「鯉(コイ)の滝登り~登龍門伝説~」。激流の竜門をくぐった鯉は龍になるという伝説を、ペーパークラフト、いけばな、水墨画で表した草丘の間だ。色とりどりの鯉が揺らめきながら、しぶきを上げる滝や激流に見立てたいけばなへ向かっていく。赤い鯉をイメージした色鮮やかな葉がだんだんと滝に近づいていく様子を、部屋いっぱいに広がる花の香りや、躍動感ある植物でドラマティックに表現している。おとぎばなしの世界をさまよいながら、涼をとる夏らしい企画展だ。 開催時間は11時~18時(最終入館17時30分)。8月17日は17時まで(最終入館16時30分)。公式オンラインチケットの料金は、一般1600円、大学・高校生1000円、小・中学生800円(未就学児無料、学生は要学生証提示)。