介護歴20年の安藤なつ「友達と遊びに行く感覚で介護施設に通っていた」小中学生時代に抱いた達成感
お笑い芸人として活動しながら、昨年、介護福祉士の資格を取得したお笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさん。今年2月には、介護の経験を通して感じたことをまとめた『介護現場歴20年。』を上梓しました。小学生の頃から介護の現場に慣れ親しんでいたという安藤さんに、当時のお話を聞きました。(全3回中の1回) 【漫画】睡眠障害の女の子から認知症のおばあちゃんまで…小学生の頃から介護に関わってきた安藤さんのほっこりエピソード(全31枚)
■介護の原体験は小学生「睡眠障害の女の子と自分の違いに驚いて」 ── 小学生の頃から伯父さんが運営する介護施設でのボランティアを買って出ていたそうですね。根気がいる現場だと思いますが、途中でやめたいと思ったことはなかったのですか?
安藤さん:伯父の施設でいろんな人と関わりながら活動すること自体が楽しくて、率先して手伝いに行っていました。だから、途中でやめたいってことはなかったですね。子どもながらに、介護が必要な子たちと楽しく過ごすためにはどうやってお手伝いをすればよいのかを常に考えていました。 ── 介護施設というと「お年寄りの介護を行う場所」というイメージが強いですが、睡眠障害をもつ小学生など、さまざまな障害を抱える利用者がいらっしゃるのですね。
安藤さん:そうなんです。その睡眠障害をもつ小学生のKちゃんは、自分と同年代の女の子だったので、親近感を抱いていました。最初から障害があるというのは認識していたのですが、私も子どもだったので、具体的な症状まではわかっていなかったんです。 特に印象的だったのが、伯父の介護施設の恒例行事だった夏合宿に対するKちゃんの反応でした。私だったらわくわくしながら準備をするのに、Kちゃんは一つひとつの作業を細かく分解して、段階を踏まなければ理解できなかったんです。
まず「何日間、泊まります」という説明から始まって、「洋服が何枚必要だから、一緒に準備しよう」という感じで、一つひとつをわかってもらう作業が必要でした。そういう発想が自分にはなかったから、すごく驚いた記憶があります。 ── 当時から、介護という職業を認識されていたのですか? 安藤さん:介護という言葉を認識したのはずっと後です。中学のときにボランティア部に入っていたので、介護という言葉自体は漠然とは知っていました。ただ、介護職といった意味合いできちんと理解したのは大人になってからだと思います。