減塩しても血圧は下がらない?医師が教える「高血圧の改善」に効果的な食べ物
塩分を摂りすぎると高血圧になると昔からよく言われています。ただ、過剰に塩分制限をしてしまうと、逆に体にさまざまなリスクを引き起こす可能性があることがわかってきているそうです。そこで、塩分と血圧との関係性について、YouTubeチャンネルの登録者数が37万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。 ◇ ◇ ◇
“減塩”にアプローチしすぎるのは危険!?
食塩に含まれているナトリウムはミネラルの一種で、体液のバランスや筋肉の機能、そして神経伝達の上でも非常に重要で欠かすことができない物質です。 1999年に発表された研究では、減塩することで血圧が下がったというデータが出ているのですが、実は食塩だけではなく、糖分や加工食品の摂取も控えることによって血圧が下がっていたのです。 そのため、ナトリウムを下げたことで血圧が下がったと必ずしもいえるデータではないのですが、食塩の摂取を控えると血圧が下がるという風に解釈されてしまっています。 血圧が高い人には「塩分を控えましょう」という話ばかりをしますが、実際のところ、減塩をしても不健康な食品を摂っていたら、なかなか血圧は下がらない。だから、減塩にアプローチをしすぎると、間違いを起こしてしまうこともあるのです。
“ナトリウム不足”はさまざまなトラブルを引き起こす
そもそも血圧を下げたほうがいい理由は脳卒中や心疾患を予防するためなので、塩分制限をしてもそこが予防できなかったら意味がありません。 2016年の研究データでは、ナトリウム(塩)を制限しても心不全の死亡のリスクは下がらなかったという結果が出ています。逆に、実はナトリウム制限により心不全や死亡のリスクが上がったというデータが出ています。 1日1時間くらい運動をする人は、小さじ半分くらいの塩分が汗で出てしまいます。1日の塩分摂取量は「小さじ1.5杯(4g)程度に抑えましょう」と言われていますが、運動をする人がそんなことをしたら、簡単にナトリウム不足になってしまいます。 ナトリウム不足になると、運動能力が下がり、睡眠トラブルが起こり、熱射病や心臓トラブルも起こりやすくなります。塩分の摂取量は普段の活動量も考慮しなければいけないので、一概に減塩すればいいわけではないのです。