阿蘇神社、熊本地震からの復旧が全て完了 塀と御札所の完成祝う竣工祭
1/3
阿蘇市の阿蘇神社は20日、楼門の南北に延びる塀「透塀[すきべい]」と御札所の完成を祝う「竣工祭[しゅんこうさい]」を実施した。2016年の熊本地震で倒壊した楼門など国指定重要文化財6棟の復旧は昨年までに完了しており、約8年8カ月に及んだ神社の再建関連工事は全て完了した。神社全体の復旧に要した総事業費は約25億円。 今回の工事費用は1億5千万円。新たな御札所は、延べ床面積約90平方メートルで、待合室を備える。室内の柱や壁、天井板の一部に、地震で倒壊した旧拝殿の希少な古材、タイワンヒノキを再利用した。旧鳥居の貫[ぬき]だったスギは、お守りなどを並べるカウンターに利用した。1928年建設の旧御札所は境内に移築し、引き続き活用する。 楼門の倒壊に巻き込まれて損壊した透塀は、長さ約100メートル、高さ2・1~2・8メートルで屋根を銅板ぶきにした。景観向上のため、一部の高さを低くした。 この日の竣工祭には、氏子や工事関係者ら約20人が出席。阿蘇惟邑[これくに]宮司は「ようやく全ての工事が完了した。ご支援いただいた皆さまに感謝申し上げるとともに、復旧、修繕した建物を大切に守っていきたい」と話した。(小田喜一)