上尾シティハーフマラソン、スタート方法を改善…箱根駅伝“メンバー選考レース” 昨年は一部で混乱も
例年、箱根駅伝に出場する各校がメンバー選考と位置づける上尾シティハーフマラソンは17日、埼玉・上尾運動公園陸上競技場発着の21・0975キロで行われる。昨年、スタート位置をめぐり、一部で混乱が生じたことを受け、今大会から持ちタイムによってスタート位置を決める方法に改善されたことが15日、分かった。多くの出場各校の監督は「安全、公平なスタート方法になった」と歓迎した。 昨年大会では、大会主催者は、大学男子の部のスタートの位置について、招待23校をチーム単位でスタートラインから第1ブロックに8校、第2ブロックに8校、第3ブロックに7校を振り分けた。各ブロックで各校が8人が縦に並ぶため、第3ブロックのチームは先頭の選手でもスタートラインから17列目。招待校以外のチームは第3ブロックの後方とされた。 招待校のブロック分けについて、実力に関係なく、当日の朝にチーム代表者による抽選で決定。そのため、箱根駅伝に出場しない大学が第1ブロックに、優勝候補の強豪校などは第3ブロックに振り分けられた。また、実業団選手は大学男子の部とは別に左側にスタート位置が用意された。 ただ、実際のスタートでは抽選で決まった位置ではない並び方となり、一部で疑問の声が上がっていた。昨年大会終了後、大会主催者は「整列係が実業団の列について『65分以内の記録の方は前に』というアナウンスをしました。全体に向けてのアナウンスではありませんでしたが、それで前に出てきた学生選手がいたようです。(抽選の後)大会側では大学の並びの入れ替えは行っていません」などと説明した。その上で「より安全な大会とするため、スタート方法の改善など検討を重ねていきます」と、今年の大会に向けて改善を行うことを明かしていた。 以前は競技場内からスタートしていたが、競技場の出口(マラソンゲート)が狭く「渋滞」が発生したため、安全を考慮し、競技場の北側の道路にスタート地点が移された。それでも、道路幅が狭いため、スタート地点は大混雑し、スタート直後には複数のランナーが転倒する事態も発生していた。実力差によってスタート直後のスピードは大きく異なるため、実力下位の選手が前方から、実力上位の選手が後方からスタートすると安全面で問題が生じる。 今大会からチーム単位ではなく、個々で、持ちタイムの良い選手が前方に並ぶことになったため、スタート直後の転倒などのリスクは、これまでより軽減されることが期待される。 箱根駅伝の約1か月半前に開催される上尾ハーフマラソンの大学男子の部は例年、出場各校がメンバー選考の重要な材料としている。学生ランナーにとって、夢と人生をかけた21・0975キロ。今年は、安全、かつ公平なスタートから、好レースが望まれる。
報知新聞社