北米市場トップ獲りへ…「エアコン」で環境問題に挑む日本トップ企業の名前
【ものづくり・ニッポンの復活】(5)『世界で900万台を売った「スズキ・スイフト」があえて「電動化」しなかったワケ』はこちらから 【画像】トップ取材も敢行「日本のものづくり復活」を支える企業を一気に読む
環境にやさしいモノを作る
自動車に限らず、多くの分野で日本企業が持つ環境性能が求められている。エアコンで環境問題に挑むのはダイキン工業だ。同社は現在、北米で省エネ性能の高い製品を普及させようとしている。 「日本や欧州のエアコンにはほとんどインバーターが導入されており、設定温度に達したらモーターの動きを制御して、その近辺で室温をほぼ一定に保つことができます。ところが、北米ではインバーター付きエアコンがあまり使用されておらず、普及率は2割程度にすぎません。 インバーターが使われていないエアコンだと、設定温度に達するといったんモーターがオフになる。設定温度を超えてしばらく経つと再びモーターがオンになって、設定温度に近づけていく。車で例えると、急アクセルと急ブレーキを繰り返しているようなもので、消費電力も大きくなってしまう」(同社広報担当者)
時代は省エネ
インバーターエアコンを持っていたものの、自前で北米市場を攻めあぐねていたダイキンは、企業買収で本格参入した。 「'12年に米国で家庭用空調1位だったグッドマン・グローバルを買収し、北米市場で当社のインバーターエアコンを展開してきました。さらに'18年に北米向きの家庭用空調を新しく開発し、'22年度には北米で8万台を販売しました。'25年度の米国市場での売り上げは業界トップを見込んでいます。 環境問題について考えたとき、製品の省エネ性能を向上させるというのは、メーカーにできる大きな貢献だと考えています」(同前) 【ものづくり・ニッポンの復活】(7)『鉱山の超大型ダンプ「フル電動化」実現のために応用された「鉄道の技術」』ヘ続く 「週刊現代」2024年5月18・25日合併号より
週刊現代(講談社)