埼玉りそな・福岡社長「価格転嫁サポートの取り組み拡大」「振り込め詐欺被害拡大防止も」
埼玉りそな銀行の福岡聡社長は9日までに産経新聞のインタビューに応じ、「埼玉県内企業の原材料費の高騰に伴う価格転嫁のサポートの取り組みを拡大させている」ことを明らかにした。また、貸し出し以外にも経営改善支援に力を入れているほか、足元では埼玉県警と連携し、振り込め詐欺の被害拡大防止を実現しているという。 ■タイトな雇用環境 --埼玉県内企業の現状は 「景況感は回復の傾向に入っているが、残念ながら先行きの見通しについては少しネガティブな見通しを持っている。県内の消費活動であったり、設備投資の活動は回復傾向にある。公共投資も対前年比では増加をしている。ただ、住宅投資は、少し下振れがある。雇用環境は、横ばいで引き続きタイトという感じになっている。このあたりが先行きの見通しを目隠しにしている理由ではないか。やはり人手不足と、仕入れ価格と諸経費の高騰がトップ3になっているので、このあたりを銀行としてサポートしていく必要性がある。まだ水準は低いが、倒産件数は増えている。やっぱり新型コロナウイルス禍の後の息切れ、高齢化に伴う廃業がある。経営改善と創業の後押しも、力を入れていかないといけない」 --決算会見では、融資先以外含めて経営を支えるとの発言もあった 「われわれの銀行のポリシーは、(埼玉りそな銀行の前身の一つである、黒須銀行の設立時の顧問を務めていた)渋沢栄一翁からもらった『道徳経済合一』にある。だから、やっぱり埼玉県が発展をしてもらわなきゃいけない。そのためには、県内に有形無形の資産を企業が持ち、かつ、そこには雇用機会がある。新しく生まれてこないと全体的に投資や生産が落ちてしまう。だから可能性があるなら早いうちから経営改善をやって、再成長、次の時代の備えをしてもらいたい」 「われわれは経営改善支援を担う営業店支援グループを設置した。昨年1月には経営支援リーダーを配置し、訪問や面談をしてこれまで以上に素早く困りごとや課題を共有し、奔走している。今年9月末時点で営業店支援グループは1197社を担当、また融資先の(ランクアップなどの)経営改善数は482先となるなど、取り組みは着実に進捗(しんちょく)している」 ■産学官金労が協力