安倍首相が記者会見 新型コロナ対応を説明(全文1)長期戦を覚悟してほしい
安倍晋三首相は28日夕、官邸で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「安倍首相が記者会見 新型コロナ対応や追加の経済対策説明(2020年3月28日)」の会見開始時間に対応しております。 【動画】安倍首相が記者会見 新型コロナ対応や追加の経済対策説明 ◇ ◇
決して対岸の火事ではない
司会:ただ今より安倍晋三内閣総理大臣によります記者会見を行います。初めに総理からご発言がございます。そののちに皆さま方からのご質問を受けさせていただきます。それでは安倍総理、よろしくお願いいたします。 安倍:新型コロナウイルス感染症が世界で猛威を振るっています。感染者は50万人を超えました。最初の10万人に達するまで60日以上掛かりましたが、直近ではわずか2日で10万人増加しており、まさに爆発的なペースで拡大しています。幾つかの国々では連日、数百人規模で死者数が増えており、増加する重症者に十分な医療を提供できていない。まさに医療崩壊とも呼ぶべき事態も発生しています。 これは決して対岸の火事ではありません。日本でも短期間のうちに同じ状況になっているかもしれない、それぐらいの危機感を持って最大限の警戒をあらためて国民の皆さまにお願いします。 これまでわが国では専門家の皆さん、保健所はじめ現場の医療関係者の皆さんの努力によって、いわゆるクラスターと呼ばれる集団での感染のつながりを早期に発見し、しっかりとコントロールする。そうすることでなんとか持ちこたえてきました。しかし足元では感染経路が分からない患者が東京や大阪など都市部を中心に増加しています。感染のつながりが見えなければ、その背景にどれぐらいの規模の感染者が存在しているのか知ることができません。
自治体の外出自粛要請に協力を
そして制御できない感染の連鎖が生じれば、どこかで爆発的な感染拡大が発生しかねません。このいわゆるオーバーシュートの可能性について東京では25日、小池知事が重大局面にあるとし、夜間、休日の外出自粛などを都民の皆さんに要請しました。千葉、神奈川、埼玉、山梨の4県知事とともにイベントの自粛、人混みへの不要不急の外出自粛などについて協力を呼び掛けています。大阪や熊本でもこの週末の外出自粛が要請されています。 私からもこうした自治体の呼び掛けにご協力いただくよう深くお願いいたします。ひとたび爆発的な感染拡大が発生すると、欧米の例から試算するとわずか2週間で感染者数が今の30倍以上に跳ね上がります。そうなれば感染のスピードを極力抑えながらピークを後ろ倒ししていく、とのわれわれの戦略が一気に崩れることとなります。 まだ欧米に比べれば感染者の総数は少ないと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし私たちが毎日見ている感染者の数は、潜伏期間などを踏まえれば2週間ほど前の新規感染の状況を捉えたものにすぎません。つまり今すでに爆発的な感染拡大が発生していたとしても、すぐには察知することができません。2週間たって数字となって表れたときには、患者の増加スピードはもはや制御できないほどになってしまっている。これがこの感染症の最も恐ろしいところであり、私たちはこの恐ろしい敵と不屈の覚悟で戦い抜かなければならないのです。 その強い危機感の下に自衛隊も動員して水際対策を抜本的に強化しました。一昨日には改正特別措置法に基づいて政府対策本部の設置を閣議決定いたしました。これにより全ての都道府県にも対策本部が設置されたところであり、自治体との緊密な連携の下に最悪の事態も想定しながら感染拡大の防止に全力を尽くしてまいります。