片づけでなぜ人生が変わるのか?こんまりさんに教わる「片づけ学」
新著で「こんまり」こと近藤麻理恵さんが新たに取り組んだテーマは、片づけを現代の学問や教養として伝えることでした。片づけでなぜ人生が変わるのか? 読者の皆さんへの熱いメッセージをお届けします! 【画像で見る】ときめくものだけを残す!こんまりメソッドで片づけた結果 ※この企画は『明日の自信になる教養(3) 池上 彰責任編集 部屋も心も整う片づけ学』(KADOKAWA)の内容に加筆し、再構成しています。 教えてくれたのは▷片づけコンサルタント 近藤麻理恵さん 1984年生まれ。幼少期から片づけの研究を始め、独自の片づけ法「こんまりメソッド」を考案。著書『人生がときめく片づけの魔法』(河出書房新社)は、シリーズ累計1400万部超のベストセラー。2014年からはアメリカでの活動を開始し、2022年にはネットフリックスの冠番組で米デイタイム・エミー賞を受賞。 ■Q. 今、片づけ学が必要なのはなぜ? A.ものも情報もあふれている今、自分で選び取る決断力が必要だからです。 ものも情報もあふれ、「片づけられない」ことから多くの悩みが起こる現代には、片づけの考え方をあらゆる分野で生かす「片づけ学」が必要です。片づけ学を身につけると、人生で大切にしたいことが明確になり、自分で選び取る決断力とそれを実行する力が高まります。 ■Q. 片づけるだけでなぜ人生がときめくの? A.片づけることで自分の過去に片をつけ、先に進む力になるからです。 そもそも片づけとは、過去の自分の選択と向き合い「片をつける」こと。人生の棚卸しをして残すものと手放すものを判断していくことを繰り返す中で、自信を持って自分の未来に必要なものを選べるようになり、心から望む方向に人生ががらりと変わっていくのです。 ■世界中の人が実践している「こんまりメソッド」とは? ■いらないものでなく「ときめき」で選ぶ こんまりメソッドは、捨てるものを選ぶのではなく、残すものを選ぶ点が従来の片づけと違うところ。また、「ときめき」を判断基準にしているのが最大の特徴で、片づけを通してときめきの感性が磨かれていくと、ものを買うときも収納場所を決めるときもその感性で決められるようになるので、片づけ後にリバウンドしません。 こんまりメソッドには、すべてのものをときめくかどうかで残すか手放すかを判断する「片づけ祭り」と、片づけたあとに行なう「日常の片づけ」の2種類があります。 まずは片づけ祭りを終わらせることを目標に。片づけ始めるときは、リビングやキッチン、クローゼットなど場所別ではなく、もの別に決まった順番で片づけるところもポイントです。 【point1】片づけ祭りは一生に1回だけ! 自分の持ち物すべてに向き合う片づけ祭りは、じっくり時間をかけて一生に1回だけ行なえばOK。そのあとは、使ったものを元に戻す日常の片づけを行なうだけですっきりを保てます。 【point2】「場所別」ではなく「もの別」に片づける いろいろな場所に同じカテゴリーのものが散らばっていると、持っているものの総量が分からず、ときめきチェックもしにくくなります。もの別に片づけていくのがスピードアップのポイント。 【point3】自分のものは自分にしか片づけられない 自分が持っているものにときめくかどうかは自分でないと判断できないので、自分以外の人に任せることはできません。同様に考えると、家族のものを勝手に片づけるのはNG。 【point4】手放すものには感謝し、使っているものはねぎらう 手放すものには「役に立ってくれてありがとう」と感謝すると罪悪感が和らぎ、使っているものは「きょうもありがとう」とねぎらうと丁寧に扱うようになり長もちします。 【point5】「ときめきチェック」は体の感覚で行なう 頭で考えるだけでなく、一つ一つのものを両手で持ってものと対話するように触ってみます。胸に抱えてみる、よく見つめてみるなどしたときの自分の体の反応が、上がるものなのか下がるものなのかを感じ取って。 ■「こんまりメソッド」で片づけました! <BEFORE> 片づけ前のリビングは、棚にものは納まっているものの、テーブルの上に出しっぱなしのものも多く、全体的に雑然としている印象でした。 <AFTER> 棚に入っているものをすべて出してときめくものだけを残し、飾り直しました。カテゴリー別に収納され、見やすくすっきりとした印象に。 * * * ものも情報もあふれている今だからこそ、片づけ学が必要なのだと実感しました。「片づけ祭り」をすることで、選び取る決断力とそれを実行する力が高まり、その後の選択に自信が持てるようになるのですね! 撮影/西村彩子 取材・文/生島典子 協力/巾 昌子