万博会場の跡地活用策、サーキット場やアリーナなど2案を優秀提案に…大屋根は一部を残す案も
大阪・関西万博(4~10月)の会場となる人工島・夢洲(大阪市此花区)について、大阪府と大阪市が、万博閉幕後の跡地にサーキット場やアリーナなどのエンタメ施設を整備する民間事業者の2案を優秀提案に選出したことが、複数の関係者への取材でわかった。この2案を基に3月にも基本計画を策定し、10月以降に開発事業者を公募する。 府と市は昨年9月から、万博会場約155ヘクタールの中核にある「2期区域」(約50ヘクタール)の活用策について、民間事業者から提案を募集していた。
関係者によると、ゼネコンなどから3案が寄せられ、府や市が選考していた。優秀提案には、サーキット場やアリーナのほか、ホテルなどが盛り込まれているという。閉幕後に解体される大屋根(リング)については、一部をモニュメントとして残す案が出ている。 万博会場北側の約49ヘクタールでは、カジノを中心とした統合型リゾート(IR)が2030年秋頃に開業する予定で、府と市はIRと合わせて国際的な観光拠点にする方針だ。
夢洲は、市が1977年、建設残土や廃棄物の処分場として整備を始めた。6万人が住む新都心にする計画だったが、バブル崩壊で企業進出が進まず頓挫。2008年五輪の選手村の候補地にもなったが、招致は失敗し、大半が空き地のままとなっていた。 府と市は「負の遺産」とも呼ばれる夢洲を、万博を機ににぎわいを生み出すエリアに転換したい考えだ。