平川動物公園で奄美講座 平城学芸員が希少生物など紹介 鹿児島市
鹿児島市の平川動物公園は4日、来園者を対象に奄美の生き物講座を開催した。奄美市立奄美博物館の平城達哉学芸員が講師となり、奄美大島の希少な生き物の生態などを解説。野生動物の保護や傷病個体の治療、環境保全の普及啓発といった同園の取り組みも紹介され、参加者は奄美の自然環境と野生動物への理解を深めた。 講座は今年7月26日に奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島が世界自然遺産の登録から3年を迎えたことから、登録までの経緯や奄美に住む生き物について知ってもらう目的で開催。子どもから大人まで幅広い年齢層の41人が参加した。 平城学芸員は「奄美大島の生き物大冒険」と題し、奄美大島に生息する希少な生き物について写真を交え解説。特に同園で飼育されているアマミノクロウサギ、ルリカケス、アマミトゲネズミを取り上げ、アマミノクロウサギの推定個体数が増加していることやアマミトゲネズミの特殊な性決定メカニズムなどについて、クイズを交えながら講演した。 職員からは、今年3月、同園で約30年ぶりにルリカケスのヒナの巣立ちが確認されたことや、絶滅が危ぶまれるアマミトゲネズミを飼育し増やす「生息域外保全」の取り組みを行っていることの紹介もあった。 参加者からは「奄美大島には鹿児島(県本土)では見られない動物がいることを知った」「ヘビがとても好きなので、奄美大島でハブを見てみたい」「ハブやケナガネズミの生息状況など、人の生活とのかかわりも含まれていて面白かった」などの感想が寄せられた。