「ポーター」は日本のゴルフ場特有の仕事!? セルフ営業が主流の現在でもなぜ必要なの?
ポーターやゴルフ場のサービスはどうあるべきか
一方で、飯島氏は「ポーターをはじめとしたゴルフ場のサービスは完璧ではない」と話します。 「近年のゴルフ場は人手不足といわれており、一定のサービスを提供するためにはポーターが欲しいと思っているゴルフ場も少なくありません」 「しかしポーター希望のスタッフを正社員で雇うにも費用が掛かってしまうので、最近ではシルバー人材を中心としたアルバイトスタッフに仕事を依頼するところが増えています」 「アルバイトは一日の勤務時間が短く、最終組がスタートしたら午前中に解散としているゴルフ場もありますが、個人的には『帰りこそ手厚いサービスを提供するべきだ』と考えます」 「18ホールラウンドした後は疲れており、重たいキャディーバッグを担いでいくのは朝よりも億劫(おっくう)になってしまうので、多くの利用者が引き上げる夕方の時間帯にもポーターを配置するのが理想的だと思います」 「とはいえ、シルバー人材で雇われている年配のスタッフを一日中拘束するのも無理があるでしょうから、たとえば午前のお出迎えと午後のお見送りで交代制にすれば、サービスの品質確保とスタッフの負担軽減の両立ができるでしょう」 かつてはプレー終了後の精算もフロントスタッフと対面で行ったり、キャディーが一列に並んでお見送りをしたりするようなゴルフ場もあったそうです。しかし現在は自動精算機で手短にチェックアウトを済ませるなど、ゴルフ場を出る際の流れはかなりあっさりとしています。 飯島氏も「朝と比べて帰り際のサービスが簡素化してきている」ことを指摘し、「以前ほどとはいかなくとも、ゴルファーが気持ちよく帰路につけるような対応を強化してほしい」と話します。 ポーターはゴルフ場に到着して最初に顔を合わせるスタッフです。ただ単純に「キャディーバッグを運んでくれる人」というだけでなく導入の背景や現状について知っておくと、より感謝の気持ちを持って接することができるでしょう。
ピーコックブルー