【大学野球】9回二死から起きた2つのドラマ 「野球はツーアウトから」を実感した立大対東大
「ゲームをつくってくれました。最後まで投げさせてやりたかったのがある。投手の代え時、継投の難しさをあらためて感じました」 抑えのエース・吉野蓮(3年・仙台育英高)が控えていたが、この日は延長15回であり、竹中の省エネ投球もあり、続投させた背景がある。柴田の一発がすべてを救った形になる。 「この秋は、竹中の投球に助けられてきた。黒星を付けさせてはいけない。自分で決めよう、ホームランを打てればいいな、と思っていました。うれしい。それだけです。勝ち点を取って、有終の美を飾りたい」。4年生・柴田は最上級生としての決意を語った。 東大は2017年秋以来のシーズン3勝まで、あとアウト一つでサヨナラ負けを喫した。大久保裕監督は無念を語る。 「9回二死から何が起こるか、スリーアウト目を取るまで分からないことを実感しました。こう着状態の展開でしたので、一発で試合が動くか、決まるかとは思いましたが……」 9回二死走者なしからの攻防。1時間56分というスピーディーなゲーム展開で、両校は1球の怖さ、野球の難しさを改めて学んだ。 文＝岡本朋祐
週刊ベースボール
