ジェネリック医薬品と先発医薬品、どちらがいいの?【40代、50代・薬と上手に付き合う方法⑪】
Q3:ジェネリック医薬品と先発医薬品はまったく同じもの?
A:添加物が違うので使用感や粒の大きさが変わる場合があります。 ジェネリック医薬品と先発医薬品は完全に同じものなの? ジェネリック医薬品ならではのメリットやデメリットはないのだろうか? 「ジェネリック医薬品にはルールがあり、有効成分の種類や量は勝手に変えられません。しかし、添加物は異なってもいいので、形や大きさ、使用感、色、味などは変えられます。 例えば、貼り薬や塗り薬などは同じ成分でも使用感が違う場合があります。添加物の種類によっては、先発医薬品では問題なかったのに、アレルギー症状を起こすということがあるかもしれません。 一方で、先発医薬品では錠剤が大きくて飲みにくいという声があれば、ジェネリック医薬品では小さくしたり、錠剤にこだわらずに服用しやすいゼリー状にしたり、コーティングで苦味を軽減することもできます。 また、先発医薬品の独占販売中に得た、市場調査によるデメリットを改善したり、その期間中に技術が向上して、よりよいものになることもあります。実際に、冷蔵保存が必要だった目薬が、ジェネリック医薬品では常温保存が可能になったケースがあります。 ジェネリック医薬品は、医療上の効果効能が同等で、安いだけでなく機能性が高まっている場合もあります」
Q4:市販薬にもジェネリックはある?
A:あります。代表的なのがロキソニンです。 ジェネリック医薬品というと処方箋薬だけのイメージだが、市販薬にもあるのだろうか? 「ロキソニンは解熱鎮痛薬に分類され、頭痛や月経痛、手術後や抜歯後の痛み止めなどに使われる処方箋の商品名です。 これには、ドラッグストアなどで購入できる市販品にもジェネリックがあります。いずれもロキソプロフェンナトリウムという同じ成分が使われていて、効果や安全性も同じです。 あまり知られていない会社の安価なものもあるので、ブランドにこだわらないのであれば、店舗の薬剤師や登録販売者に確認するといいでしょう」
【教えてくれたのは】 鈴木素邦さん 薬剤師。経営学修士(MBA)。「クラヤコンサルティング」代表取締役。城西大学薬学部非常勤講師。東京大学や慶応義塾大学などの教壇に立ち、多くの薬剤師を世に送り出す。薬局薬剤師の経験、多くの薬剤師を輩出した経験をもとに、お客様第一の薬局になれるような薬局向け経営コンサルティングを行う。研修講師としても、薬局経営者向け中心に講座を実施している。著書に『薬の裏側』(総合法令出版)など。 イラスト/いいあい 取材・原文/山村浩子