天皇陛下「痛みを分かち合い困難な状況を乗り越えていくこと願う」コロナ禍で新年のビデオメッセージ
THE PAGE(宮内庁提供映像)
天皇陛下は1日、2022年を迎えるにあたり、国民に向けてビデオメッセージを寄せられた。新型コロナウイルス禍に苦しむ国民を慮り、「痛みを分かち合い支え合って、この困難な状況を乗り越えていくこと」への期待を示した。昨年に続き皇后さまも同席された。 【動画】天皇陛下が新年のビデオメッセージ (宮内庁提供映像)
昨年に続いて中止の一般参賀に代わり
新型コロナウイルス感染拡大防止への配慮から、例年1月2日に皇居で行われる一般参賀が昨年に続いて取り止めとなったため、今年もビデオによる新年のあいさつを発表した。 陛下は「この1年も新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、国の内外で多くの方が感染し亡くなりました」と2021年を振り返り、亡くなった人やその家族に哀悼の意を表された。 ワクチン接種や国民の感染防止対策などによって感染者や重症者が減少を見せている現状には「明るい兆しが見えてきたようにも思われます」と語った一方、「同時に、今私たちはオミクロン株という新たな変異ウイルスの脅威にも直面しています」と警戒感を示した。 コロナで職を失うなどして苦しい状況に陥っている人々に「多くの温かい手が差し伸べられることを願ってやみません」と希望し、「今一度、私たち皆がこれまでの経験に学び、感染症の対策のための努力を続けつつ、人と人とのつながりを一層大切にしながら、痛みを分かち合い支え合って、この困難な状況を乗り越えていくことを心から願っています」と期待。その上で、コロナが収束して「皆さんと再び直接お会いできる日が来ることを心待ちにしています」と述べた。 1年延期の末に開催された東京五輪・パラリンピックについては「選手や関係者の努力により、多くの人々に勇気と希望を与えるものとなった」と評した。 同席された皇后さまは「年の暮れからの寒波で、大変な思いをされている方も多いのではないでしょうか」と国民を思いやり、「今年が皆さまにとって、少しでも穏やかで実り豊かな年となりますよう、心からお祈りしております」と語った。