柏U-18、1‐0で首位・横浜FCユースを撃破し暫定3位浮上
10月14日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2024ESAT第18節1試合が行われ、柏レイソルU-18と首位の横浜FCユースが対戦。 【フォトギャラリー】 柏レイソルU-18 vs 横浜FCユース 試合は0-0で迎えた後半13分、柏U18 、左サイドから進入したMF11吉原楓人のパスをフリーで受けたFW10戸田晶斗が左足を振りぬき、先制点。 以降、GK1栗栖汰志を中心にした守備で1点を守り切り、柏U18が1‐0で完封勝利。勝点を「29」に伸ばし、暫定3位に浮上した。一方、敗れた首位・横浜FCユースは今季5敗目。勝点「35」のまま。2位、鹿島アントラーズユースとの勝点差が「3」に縮まった。 試合は前後半ともに横浜FCユースペース。FW9庄司啓太郎を起点に両サイド、両サイドバックが果敢に攻め上がりチャンスを増やした。公式記録のシュート数を見ると横浜FCユース12本。柏U18は4本と差は歴然。たしかに横浜FCユースが何度も攻め入ったが、こと決定機となると、ほぼなく、むしろ柏U18にうまく守られた印象が強い。 では、なぜ柏U18は少ないチャンスをものにできたのか。要因は2つある。 ひとつめは後半のシステム変更。前半の4バックから3バック(3-4-2-1)へ。狙いは受け手の数を増すこと。 柏U18藤田優人監督は「選手たちの特長はお互いの距離感が近いことで安心感を得られるところ。システムに、はめ込んだというより、彼らの特長、性格などを考慮しての変更でした。そのことで後半、のびのびプレーできた感触はあります」と話したように、攻撃が活性化。得点シーンはまさに選手間の近さから生まれたもの。FW10戸田は「みんな足元がうまいので、距離感が近いと連係がうまくいきます」と胸を張った。ちなみにシステム変更は平山智規コーチの進言によるもの。 もうひとつは執拗な守備。たしかに横浜FCユースが圧倒していた。しかし柏U18から見れば、無理に攻めず、まずは守備から入り、チャンスと見るや一気に押し出す戦い方を敷いた。あえてボールを相手に持たせていた見方もできる。 試合前、藤田監督は選手たちに伝えたことがある。 「今シーズン、横浜FCユースがこれまで4敗した相手は柏U18と鹿島アントラーズユース、そして青森山田には2敗しています。対戦相手の特徴を踏まえ、選手たちに「どう感じる?」と尋ねました。すると選手から「守備が激しいチーム」と答えが返ってきました。つまり、そうした試合をすれば、我々は勝利を手にできる、そう話しました。試合中、少しファールが多くなりましたが、強く意識させました」。柏U18 の執拗な守備が全うできたといえる。 そのなか中盤の潰し役として存在感を放ったのがボランチで起用されたDF6藤谷温大。「前に3人、吉原くん(MF11吉原楓人)、澤井くん(FW28澤井烈士)、戸田くん(FW10戸田晶斗)は個人技で突破できて、1対1が強く、簡単にボールを取られない選手。この3人を活かすために、僕は汚れ役に徹しました。点を取ることは向いていないので、できることをまずは徹底してやりました」この言葉通り、ボールを狩りまくるプレーを見せた。この試合のMVPを決勝点のFW10戸田。終始、安定したセービングを見せたGK1栗栖なら影のMVPはDF6藤谷と言える。 今節の勝利で首位・横浜FCユースとの勝点差を「6」とした柏U18 。「我々が目標とするところに届くには、きょうは勝点『1』でもダメでした。試合終了直後、何人か倒れていましたが、選手には常に『絞り出せ』と伝えています。ことしのチームらしさはきょうの試合で出ていました」と藤田監督。プレミアリーグEASTは残り4試合。柏U18はすべてを絞り出し、その頂を目指す。 (文・写真=佐藤亮太)