「土づくり」重点課題に 肉用牛生産で計画承認 県肉振協大島支部
鹿児島県肉用牛振興協議会大島支部(支部長・中実大島支庁農政普及課長)と奄美群島農政推進協議会畜産部会(部会長・森浩成JAあまみ与論畜産課長)の2024年度総会が20日、奄美市名瀬の県大島支庁であった。粗飼料の自給率を上げるために、牛の成長に必要な草の品質も改善する目的で「肉用牛経営における土づくり」を24年度の新たな重点課題に加える事業計画案を承認した。 大島地区の肉用牛の飼養農家戸数は1478戸(前年比96・5%)、子取り用雌牛の飼養頭数は2万2231頭(同95・8%)(24年2月現在)。 長期化する国際紛争や円安などの影響で、配合飼料の生産資材価格の高止まりが懸念されることから、外的要因に左右されない循環型農業が重要として、一昨年から「粗飼料自給率の向上」と「家畜排せつ物の適正な処理・利用」を重点課題として取り組んでいる。 特に力を入れているのがサトウキビの収穫残さ(ハカマ)を飼料にする「ハカマロール」の普及。23年度は奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島で協力農家を選び、普及定着に向けた実証事業を行ったことが報告された。24年度も乳酸菌を添加したハカマロールの品質向上に取り組む。 加えて、牛の成長を維持するために品質のよい草を育てようと、24年度からは土づくりについて学ぶ研修会にも取り組んでいく。 中支部長は「今シーズンはハカマロールに取り組む農家が増えた。今年はさらなる自給飼料増産を図るため土づくりをテーマにした研修も企画している。協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
奄美の南海日日新聞