三重県出身の最強スプリンター・上山紘輝選手に密着!“急成長”の秘密に迫る
自分の適性を見定めてくれたコーチとの出会いを経て、日本代表ランナーに成長した上山選手。大学卒業後も井上コーチの元で、パリオリンピックを目指すことを決めました。
「コーチに常に言われていたのが、"パリに行くぞ"。コーチに言われたらやるしかないので」と井上コーチとの会話を笑顔で話す上山選手。 たまにダメもとで、"練習これで終わっていいですか?"、"1本減らないんですか?"とお願いするときもあるそうで、そのたびに「この1本がパリに行く」と井上コーチから諭されてきたそう。「(そのときは)「はい!やります!」(と答えて)、そんな感じでこの冬過ごしましたね」と、井上コーチとの練習中のやり取りについて明かしました。
コーナーを“直線のように”走る体幹の強さ
上山選手の走りの一番の魅力について尋ねると、「身長があるわりにはコーナーでラインのギリギリを走っても外に膨らまない。コーナーを直線のようにスムーズに走れるのが魅力」と答えた井上コーチ。上山選手も自身の走りについて、「直線の100mより、コーナーの100mの方がタイムが速いんですよ」と話します。 コーナーを“直線のように走れる”とはどういうことなのでしょうか。 一般的にはコーナーで体を傾けると、上山選手曰く、「脇をつぶすような窮屈な走り」になってしまいがち。体が曲がると軸が曲がり、地面からの力が真っすぐ伝わらないのだそう。
そんなフォームになりがちなコーナーで、“あえて逆の動きを入れる”という上山選手。「腕でイメージすると、普通は外側の方を大きく振っちゃうけど、僕は逆に内側を大きく振ります」と自身のフォームについて話します。確かに上山選手のコーナーを走る際の動きに注目してみると、外側より内側の腕の動きの方が大きくなってるのがわかります。
そして、もうひとつのポイントが。リレーのバトンゾーンを指しながら、「僕は200mでこのリレーゾーンを大事にしています」と話す上山選手。「みんな速く走ろうと思って、足を伸ばして歩幅を広げようとするけれど、逆にそれがダメ。リレーゾーンは階段を一段ずつ駆け上がるイメージ(で走っています)」とコーナーの走り方についても明かしました。