能登半島の子どもたちが“おらが街のスタジアム”で見せた笑顔。サッカーの絆がつないだバスツアー「30年後も記憶に残る試合に」
11人のスタッフで準備も抜かりなく。前日には挨拶周りも
――今回のバスツアーは、どのようなタイムスケジュールだったのですか? 角田:チャーターした大型バスで、朝7時に珠洲市と能登町の子どもたちを迎えに行きました。その後、スタジアムに向かう間に菓子パンなど朝ごはんを車内で食べて、11時ごろに試合会場に着きました。スタジアムグルメやアトラクション、じゃんけん大会などを楽しんだ後は少しだけ応援の練習をして、14時から試合を観戦しました。試合後はスーパー銭湯に行って汗を流して、その後はファーストフードで晩ごはんを食べて避難先に戻ってきました。 ――珠洲市からスタジアムまではかなり距離がありますし、移動時間も長かったのではないですか? 角田:片道140kmで、往復10時間ぐらいの道のりでした。僕らちょんまげ隊のスタッフは千葉から出発して、片道12時間かかりましたね。子どもたちが飲むジュースやスナックなどは、途中で買ったんです。被災地に「お金を落とす」という言われ方をよくしますけど、現地のボランティアさんからは「まだまだ物資が少ないので、県外で買ってきてもらえたらありがたい」と言われたので、車に積んで行ったんです。 ――スタッフはどのような顔ぶれだったのですか? 角田:ちょんまげ隊は固定のメンバーがいるわけではないので、毎回「この指とまれ」方式でスタッフを集めているんですが、今回もFacebookで募って、11人集まりました。うち9人がワールドカップに行くぐらいのサッカーオタクで、ベガルタ仙台のサポーター、コバルトーレ女川の元コーチ、浦議チャンネルを運営するユーチューバー、ドイツにサッカー留学経験がある現地ボランティア。「今回は参加できないけど」と募金を送ってくれたのは鹿児島ユナイテッドの名物サポーターじゃんけんマン。共通項はサッカーです。 ――20日間で活動資金を集めて、スタジアムのチケットやサポーターグッズも準備されたんですよね。昼食や、その後の流れもある程度リハーサルされたんですか。 角田:そうです。人数が多いので、夜に行く予定だったマクドナルドやスーパー銭湯にも、事前に挨拶に行きました。それと、今回、応援グッズをご提供いただいたツエーゲンサポーターの皆さんへのお礼も兼ねて、試合の前日には応援コールの練習会場にもお邪魔しました。サポーターの皆さんが協力してくださったおかげで、子どもたちも自由席のゴール裏で応援することができましたから。試合後は付き添いボランティアがファーストフード店、銭湯、バスに分かれて好きな注文を自由にしてもらい、会計だけボランティアがするという分業制でした。