【阪神】新加入畠世周に「よかったんちゃう?」近大恩師2人がエール「活躍の場変わりよかった」
巨人から阪神への移籍が決まった畠世周投手(30)に母校近大の恩師たちからエールが届いた。当時監督の田中秀昌氏(67)と現在も近大で投手の指導にあたる所裕久(ところ・ひろひさ)コーチ(55)は、新天地での再ブレークに大きな期待を寄せている。 ◇ ◇ ◇ 9日の現役ドラフト後、すぐに田中氏は畠から電話を受けた。「タイガースに行くことになりました」の報告に「よかったんちゃう?」と返した。23年3月に受けた手術の影響もあり出番が激減。一方、2軍では今季、主に中継ぎで37試合、防御率1・41と好投を続けた。「活躍の場が変わってよかったと思う。巨人にいてもなかなか放る場所をもらえなかったかもしれない」と復活のきっかけになると感じ取っている。 畠は同氏が監督になった2年春にデビュー。ただ、3季連続で2勝どまり。たぐいまれな直球を持っていたが、飛躍を妨げた一因が性格面だった。「気持ちが優しかった。『もっと打者に向かっていけ』と何度言ったことか。あれだけの直球を投げられるのに、内角もあまり突けなかった」。その後、心も成長。3年秋は破竹の3連続完封など6勝。プロへの階段を駆け上がった。近大が出場した昨年の大学選手権は子どもを連れて神宮で観戦。「うれしかったですね。ニコニコして、いいキャラクター。それは大学時代から変わりません」と目を細めた。 トレーナーも兼務する所コーチは、肉体に太鼓判を押す。「めっちゃ体が強い。巨人で『マッチョ』と呼ばれていましたから。卒業後は個人トレーナーをつけて、サプリメントにもすごい詳しい。しっかりやっています」。また優しい性格は“武器”になると予測する。「本当に使い勝手がいい。人がいいから、チャンスをもらえるなら、もうどこでもやりますって思っている子。で、それに対する準備はしているので。藤川監督に『中継ぎ』と言われたら、あいつもやりやすいと思います」。畠が持つ献身的な心意気が、阪神の戦力になると信じている。