経団連次期会長、日生の筒井義信氏は「偏らずに目配りできる人」…十倉会長「人物本位で選んだ」
経団連の十倉雅和会長(74)(住友化学会長)は17日、次期会長に日本生命保険の筒井義信会長(70)を起用する方針を表明した。十倉氏は報道陣の取材に応じ、「社会課題に対して偏ることなく、目配りができる人だ」と述べた。
来年1月14日の会長・副会長会議で内定し、5月29日の定時総会で正式に就任する。経団連会長は「財界総理」とも呼ばれ、製造業出身者で、現職の副会長や副会長経験者から選ばれるケースが多かった。筒井氏は金融機関トップから初めて就任する。十倉氏は「製造業、非製造業ということはあまり意識せず、人物本位で選んだ」と語った。
筒井氏は、日生では経営戦略を立案する企画畑が長く、2011年に社長に就任した。15年の三井生命保険(現大樹生命保険)の買収を主導するなど国内事業の収益基盤を強化し、18年4月から会長を務める。日生は屈指の機関投資家で、多くの国内主要企業の株主でもある。資産運用で海外経済の動向に精通しているほか、全国に営業拠点を構え、地方経済にも詳しい。
経済や国際関係の先行きが見通せない状況のなか、筒井氏の発信力や調整力が問われることになる。