保守系によるネガキャンで、電気自動車は環境にいいと考える人が減少
保守系インフルエンサーもEVをディスる
そして、この記事を保守系ポッドキャストを配信しているジョー・ローガン氏が、EVの環境へのメリットを無視してもいいんじゃないかという論調で取りあげることに。 特にEVを購入するつもりがない層を中心に、「EVの方が環境にいい」と考える人が減ってきている背景には、多くのフォロワーを持つインフルエンサーたちの存在が見え隠れします。 ローガン氏や共和党のドナルド・トランプ大統領候補のように、声の大きい人物がEVをディスる影響は小さくありません。まあ、トランプ氏は、友人で支援者のイーロン・マスク氏に配慮して、EVへの攻撃をトーンダウンさせていますけれど。 マスク氏も以前は気候変動は深刻な問題というポジションでしたが、気候変動を「中国がでっち上げたデマ」とするトランプ氏に配慮して、8月にX(旧Twitter)のスペースで行なわれたトランプ氏とのチャットで、次のようにトーンを後退させています。 石油とガスはいずれ枯渇するため、持続可能なエネルギー経済に移行したいと考えていますが、もしも現時点で石油と天然ガスの使用をやめたら、私たちはみんな飢えて、経済は崩壊するでしょう。 さらに、マスク氏は脱化石燃料を達成するまでには「まだまだ時間がかかる」とし、「急ぐ必要はない」と主張しています。 ここで問題なのは、人々が「EVを買っても環境にいい影響を与えない」と本気で信じれば、EVが売れなくなるだろうってことです。そしてそれは、テスラのCEOにとって深刻な問題でしょう。ただ、マスク氏がラッキーなのは、そういった意見がそもそもEVを買うつもりのない人々の間で高まっているだけというところ。 それでも、マスク氏と右派の仲間たちが「EVは環境に良くない」というナラティブを広め続けた場合、次の2年間で世論がどのように変化するかは、神のみぞ知るって感じでしょうか。
Kenji P. Miyajima