両県への弾丸登山規制に賛成・反対した理由

　静岡新聞社は山梨日日新聞社と合同で富士山登山者200人にアンケートを実施した。9割が「賛成」とした静岡、山梨両県の今季からの弾丸登山対策を巡り、夜通しの登山で誘発される事故の防止など「安全のため」との賛成理由が65・5％を占めた。今夏に多数の死者が出ている影響もあるとみられ、安全確保のために弾丸登山対策が必要との認識が多くの登山者に広がっていると言えそうだ。 　両県は今夏、山小屋を予約していない登山者を対象にした弾丸登山対策を導入。静岡側は午後4時以降の入山自粛を要請、山梨側は午後4時～翌午前3時の5合目以上への入山を事実上禁止としている。 　アンケートでは、両県の対策について「いずれも賛成」が89・5％だった。選択理由を自由回答で聞いたところ、65・5％が「安全のため」「危険回避」などと答えた。「混雑回避」、「救助に負担がかかる」なども挙がった。山梨側の禁止措置のみを支持した人からは静岡側の規制強化を求める意見があった。 　静岡県が試行する入山の事前登録や山梨県による登山道の通行予約を「した」と回答した76・0％を県別にみると、静岡側（回答者90人）の事前登録の実施率は83・3％で、山梨側（同110人）の70・0％より高かった。山梨側で「していない」と答えた33人に理由を聞くと「山小屋を予約しているから」が6割で、山小屋宿泊者を規制対象外とした影響とみられる。 　静岡側で「していない」とした15人の理由は「知らなかった」が5人、「山小屋を予約しているから」が5人いた。宿泊者を含めて全登山者に登録を求める静岡側の制度の趣旨が十分に伝わっていない側面もうかがえた。 　設問と回答　（数字は％） 　Q　富士山の登山道では本年度、入山するにあたって事前予約（山梨）や事前登録（静岡）を求めています。今回の登山では、事前予約（登録）をしましたか。 　した76．0 　していない24．0 　Q　していないと答えた方に伺います。事前予約（登録）をしなかった最も大きな理由を教えてください。 　山小屋宿泊の予約をしているから54．2 　知らなかったから14．6 　その他12．5 　当日受け付けで十分だと考えていたから10．4 　天候が読めなかったから　6．3 　面倒だから　2．1 　体調不良など自己都合のキャンセルだと返金されないから　0 　スマートフォンなどQRコードに対応する機器を持っていないから　0 　Q　宿泊せずに夜通し登る弾丸登山防止のため、山梨県側では5合目ゲートを設置して山小屋宿泊者以外の午後4時～翌午前3時の時間帯の入山を実質禁止し、静岡県側は午後4時以降の入山自粛を求めています。賛否を教えてください。 　いずれも賛成89．5 　禁止に賛成、自粛要請は反対　4．5 　禁止に反対、自粛要請は賛成　1．5 　いずれも反対　1．5 　どちらでもない、分からない　3．0 　Q　回答の理由を教えてください。 　安全のため（危険や事故回避）65．5 　混雑回避　7．0 　良くない、問題が起きているから　7．0 　マナー改善になる　4．0 　救助の負担が大きい　2．5 　富士山保全のため　1．5 　わからない・特になし2．5 　その他10．0