納期は短く値引きも脅威的! いま超お買い得に思えるBEVの賢い買い方とは
いまBEVがお得に買える!?
世界的にBEV(バッテリー電気自動車)の販売競争が激化し、大幅値引きによる乱売合戦のようなものが起きている地域もあるようだ。 【画像ギャラリー】圧倒的な低価格を実現して日本市場を狙う中国製BEV 日本国内は世界的に見てBEV普及で出遅れているとされているものの、日本国内ですら、一部ブランドではすでに乱売が始まっているとの噂もある。 「BEVは生モノではないですが、駆動用バッテリーのコンディションなどもあり、ICE(内燃機関)車のように売れるまでといったノリで長期間在庫として持つことへのリスクが高いこともあるようで、ある意味で売り急いでいるとも表現できるような状況にあるとも聞いています」とは事情通。 ある欧州系ブランドのBEVを最近購入したというA氏によると、「650万円ほどするBEVを購入したのですが、160万円ほど値引きしてもらいました」とのこと。 よくよく聞いてみると、充電設備設置費用の一部負担や購入補助金も加えての話とのことだが、それでも購入後のキャッシュバック的な存在である補助金を除いても、約60万円の値引きをしてもらい購入したことになるとのことなので、ここ最近の諸物価高騰などを受け、新車販売の値引きも引き締め傾向にあるなかでは見逃せない値引き額である。しかも納車時期は「上旬に契約したのですが、契約月内に納車されるとのことです」と教えてくれた。
BEVを作りすぎている!?
そもそも日本以外の外資ブランドでは、納期遅延というものはほぼ解消されている。日系ブランドとは異なり、生産遅延を引き起こすオプションを省いて生産するなどして、納期を優先させていることも大きい。日本以外の国々では、ディーラーに並んだ在庫車から購入する在庫販売が原則なので、とにかくディーラーに実車の供給をし続ける必要があるからだ。 日本国内における日系ブランドは、受注してからディーラーがメーカーへ生産を発注する、受注生産販売が大原則だが、日本国内における外資ブランド(輸入車)は、諸外国と同じ在庫販売が基本なので、BEVについても日本からはリクエストを入れることができる程度で、ヘッドクォーターがセレクトした完成車が日本へ出荷されている。 もちろん、外資BEVがすべて在庫車がダブつき気味になっているとはいえないが、筆者が見る限りでは、日本国内での消費者のBEVへの興味、そしてニーズに対しては供給過剰気味になっているブランドが目立つように見える。 販売支援的な側面でも、BEV購入に際して政府の補助金交付を受けると4年間は名義変更ができない、いわゆる“4年縛り”というものがあるが、一般的なオートローンでは、初回などの車検時期に対応して3年及び5年といった支払プランが一般的。BEVを専売する中国BYD(比亜迪汽車)ではさすがに“4年ローン”というものも存在するが……。 「BEVの中古車は中古パソコンのようなものですと、あるディーラーでは説明を受けました。ICE車に比べればアップデートが速いので、再販価値については期待しないで欲しいということです。そのため、短めな3年払いの残価設定ローンを組み4年しばりの残り1年分の補助金額を返還して乗り換えしたほうがいいといった説明を受けました。 いわばまだまだ新しい乗り物であるのがBEV。さまざまな面で試行錯誤的な部分も多いが、購入面でもその傾向が目立つ。車両価格は割高感があるものの、値引き額も大きめで意外なほど支払い負担を感じずに購入できるので、興味のある人はとりあえずBEVを扱っているディーラーへ行ってみることをおすすめする。
小林敦志