守備陣が安定しない韓国、最弱パレスチナとまた引き分け W杯アジア最終予選B組
アジアカップ準決勝敗退、ユルゲン・クリンスマン監督更迭、パリ五輪出場失敗、代表監督選任手続き騒動など、韓国サッカー界は騒動が多い1年だった。洪明甫監督の就任以降、連勝街道をひた走りながら落ち着きを取り戻すかのように見えたが、パレスチナ戦の引き分けで今年最後の国際Aマッチがスッキリしない形で終わった。洪明甫監督率いる韓国は第1戦-第6戦の4勝2分を記録、12ゴールを7人がゴールを決めるなど、得点源が多角化したことは成果だと言えるだろう。しかし、5点も奪われ、DFが不安であることを露呈した。第4戦-第6戦では毎試合失点しており、C組首位の日本(22得点2失点)とは対照的だ。パレスチナ戦で失点した場面では、DFの要である金ミン哉が動揺し、後方が一瞬にして崩れた。その前の段階でチームメイトたちがボールをきちんと処理できなかったのが1次的な原因になった。 攻撃面ではイ・ガンインが沈黙しているのが惜しまれる。今季、パリ・サンジェルマン(PSG)で6ゴールとフランス・リーグ(リーグ・アン)得点ランキング4位タイにつけているイ・ガンインだが、洪明甫監督率いる韓国代表チーム号では6試合連続で得点がない。オマーンとの第2戦でソン・フンミンのゴールをアシストしたのが唯一の攻撃ポイントだ。今年上半期のアジアカップ3ゴールを含め、6ゴールを記録した時とは様子が違う。W杯本大会での競争力のためにも、イ・ガンインの活用法を考える必要がある。パレスチナ戦で右ウィングとして出場したイ・ガンインは活発にスペースに切り込むというよりはサイドから左足でクロスを繰り返し上げるプレーを見せた。ただし、9本のクロスのうちチームメイトに渡ったのは2本だけだった。イ・ガンインは「PSGと代表チームは違う。与えられたポジションでベストを尽くすだけだ」と語った。 ソン・フンミンはこの日、有効シュート4本を放つなど、ピッチを縦横無尽に駆け回って同試合の最優秀選手(MVP)に選ばれた。後半36分に黄仁範(ファン・インボム)からパスを受け、GKの脚の間からシュートを放ち、ゴールネットを揺らしたものの、わずかな差でオフサイドが宣言された場面は残念だった。15年間にわたり韓国代表として活躍しているソン・フンミンは同日、131回目のAマッチ出場を果たした。来年は李雲在(イ・ウンジェ、133試合)を抜いて3位に浮上するものとみられる。ソン・フンミンは「今年のアジアカップ以降、本当にいろいろなことがあったが、結果的に見て今ひとつ物足りない姿をお見せしてしまったと思う。いつか代表チームを離れなければならない時に100%満足できる場を作りあげた状態で引退できれば」と語った。 アンマン(ヨルダン)=張珉錫(チャン・ミンソク)記者