「働きたいが現実には無理」の声も。利用率わずか1%「年収の壁・支援強化パッケージ」とは?
半数以上が「年収の壁を超えないように就業調整をしたことがある」と回答
エン・ジャパン株式会社は「年収の壁」「年収の壁・支援強化パッケージ」についてアンケート調査を実施しました。 調査概要は下記のとおりです。 ・調査方法:インターネットによるアンケート ・調査対象:『エン派遣』を利用しているユーザー ・有効回答数:2737名 ・調査期間:2023年12月1日~2024年1月3日 ・リリース公開日:2024年2月21日 上記調査の結果、全体の56%が「これまでに年収の壁となる金額を超えないよう就業調整を行なったことはある」と回答しました。 さらに、年収の壁が106万円の人は62%、130万円以内の人では69%が、就業調整の経験があると回答しており、多くの人が年収の壁に悩まされている現状がみてとれます。 また、同調査では67%の人が「手取りが減らないとしたら、年収の壁を超えて働きたい」と回答しています。 年収の壁を超えて働きたい理由として、「将来的な貯蓄までは手が回らない」「働ける時にはたくさん働きたい」といった意見が聞かれました。 一方で、働きたいが現実には無理と回答した人の理由として、「長時間働いても保育料の出費があれば働く意味がない」「収入増により授業料無償化の枠に影響が出てしまう」といった別の課題から断念する意見が多く挙げられました。
「年収の壁・支援強化パッケージ」を詳細まで知っている人は1割
エン・ジャパン株式会社の行った調査によると、「年収の壁・支援強化パッケージ」について詳細まで知っている人の割合は全体の1割にとどまりました。 なんとなく知っている人は半数を占めていますが、詳細まで知っている人が1割、知らない人が約4割であることから、まだあまり浸透していない制度であることがうかがえます。 ●「年収の壁・支援強化パッケージ」の利用を検討している人は2~3割 エン・ジャパン株式会社の調査で、現在年収上限106万円もしくは130万円の扶養内で働いている人を対象に、「年収の壁・支援強化パッケージ」の利用状況について伺うと、「すでに利用している」はそれぞれ1%となりました。 「利用を検討している」と回答した人は、上限年収106万円の人で23%、上限年収130万円の人で36%と、「利用・検討ともにしていない」の割合を下回る結果となっています。 このことから、「年収の壁・支援強化パッケージ」についてまだあまり知られていないだけでなく、実際に利用している人もほとんどいない現状であることがわかります。