不思議なだまし絵の世界に没入 体験満載のエッシャー展、富山県美術館で30日まで
「だまし絵」の版画が並ぶ終盤の展示エリアでも、大勢の人が集まるスペースを見つけた。家族連れや学生らが楽しそうに写真を撮っている。ここは壁や床がゆがんだ「相対性の部屋」。立つ場所によって、体が小さくなったり大きくなったりして見える。まるで「だまし絵」の中に入り込んだようだ。 会場では、作品も含めて写真撮影が可能。県美術館ではインスタグラムのキャンペーンを行っている。「#エッシャー展富山」を付けて写真を投稿すると、抽選で企画展のグッズが当たるそう。川浦さんは「力作の投稿をお待ちしています」と呼びかけた。 うちわ作りに没頭 館内で企画展に合わせたワークショップを行っていると聞き、体験してみることに。エッシャーが魅了されたテーマ、テセレーション(敷き詰め)を用いてうちわを作るそうだ。 約4センチ四方の正方形の厚紙から、オリジナルの型紙を作る。型紙に沿って2色の折り紙を切り取り、うちわの台紙に敷き詰めて貼り付ける。顔や模様を自由に描き込むと完成だ。
ワークショップに参加している親子連れの様子をのぞくと「これは何に見える?」という父親の質問に、「魚!」と子どもが即答。スタッフの方は「切って貼るのは大人の方が上手ですが、子どもの想像力にはかないません」と話した。 数学的な構造を取り入れ、見る人に驚きと発見を与えたエッシャーの版画。体験コーナーやワークショップを通じて、異なる角度から作品の世界を楽しむことができた。 企画展は30日まで。水曜休館。県美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会など主催。(相川有希美)