義母の料理「手伝ったほうがよかったかも」不安に “義実家との付き合い方”正解あるのか
年末年始、義実家で過ごす人にとって、義父母との付き合い方は頭の痛い問題だ。中でも悩みが発生しやすい場所は「台所」だろう。義実家でどう振る舞えばいいのか。AERA 2024年12月9日号より。 【アンケート結果】「義実家との付き合い方で困っていることありますか?」はこちら * * * 令和の時代は、かつてよりも義父母は優しくなっているようだ。嫁イビリをする義父母、泣く妻。わかりやすい不仲はそれほど見聞きしなくなったように感じる。 「昭和から平成の初めの20世紀は、嫁姑問題が社会問題でした。お嫁さんは『家風に合わせなさい』と厳しくしつけられ、嫌みを言われることがありました』」(くらし文化研究所主宰、作家・生活史研究家の阿古真理さん) それが変わってきたのは、嫁姑問題を経験した60代以上が「自分と同じ目に遭わせたくない」と思う傾向にあるからという。だが、義父母といい関係を築けているように見えても、緊張が走る瞬間がある。義実家との間で「駆け引き」が起きる時だ。 東京都の30代の会社員女性は、この駆け引きが苦手だ。 「明るい義母ですが、怖いなって思った瞬間があったんです」 義実家で「手伝いましょうか」と伝えたが、「気にしなくていいから座ってて」と言われたので、お言葉に甘えてリビングで夫とアルバムを見てくつろいでいた。気づいたら、義母が料理を作ってくれていたので、「おいしそう!」と喜んだところ、視線を落とした義母に「無理しなくていいよ」と小声で言われた。 「本当は手伝ったほうがよかったかも」「私、だめなことをした?」と不安になった。義母の本音がつかめず、義実家が苦手になったという。 ■台所での悩みが多発 台所は悩みが発生しやすい場所だと、前出の阿古さんは言う。 「台所は主に使う人が便利なように、アイテム数が多い調理道具や食品類の置き場所が決まっています。しかし、特に台所の担い手が1人の場合、そのルールは他の人にはわからないことが多く、台所の担い手自身も自覚していないルールが多いので、他の人が使った場合にトラブルが生じやすいのです」