mi-mollet（ミモレ）

作家・ライターとして、多くの20代～40代の男女に「現代の男女が抱える問題」について取材をしてきた山本理沙。その赤裸々な声は、まさに「現実は小説より奇なり」。社会も価値観も変化していく現代で、結婚や男女関係についての悩みは非常に多いようです。 【自発的シングルマザー】韓国の藤田小百合さんの生き方から考える「子どもを産むか産まないか」その権利は誰のもの? 今回お話を聞かせてくれたのは、先日も登場いただいた美保さん（仮名・現在40歳）。「27歳が女の最高値」という父親の言葉に押され、当時交際していた医者の恋人とほとんど無理やり結婚させられた結果、地獄のような結婚生活の末に離婚となりました。 現在は別の年下男性と再婚し、第二子にも恵まれ幸せに暮らす美保さんですが、筆者の元に「子連れでどのように自立し、再婚したのか」という質問が寄せられたため、後日談を詳しく伺っていきます。  取材者プロフィール 美保さん（仮名）現在40歳、離婚歴あり 職業:会社員 家族構成:夫、2歳の男の子、11歳の女の子（元夫との子ども） 

もう、男性には頼れない。頼らない 

ーー27歳が女の最高値、それ以上歳をとれば結婚相手の男性のレベルはどんどん下がる。女は20代で結婚するのが幸せだーー このような父親の教えに従い、恋愛感情のない医師の男性と20代で結婚した美保さん。しかし結婚生活は初日から苦しみに満ちており、1年もしないうちに破綻、壮絶なストレスと苦悩の末に離婚してシングルマザーになりました。 「以前にもお話ししたとおり、うちの両親は少々思い込みが激しく、偏った価値観を子どもに押し付ける傾向があるんですが……でも悪気は一切なく、むしろ愛情たっぷりで子ども思いの親なんです。 女は経済的に安定した男性と結婚して子どもを産むのが唯一の幸せだと本気で信じていて、娘である私にどうにかしてその幸せを授けようと必死だったんです。でも結果、私は結婚に失敗して娘と2人で関西の実家に出戻りました。このとき私は31歳、娘は3歳。『もう美保は結婚できないだろうから家にいていい』と言われ、しばらく平穏に暮らしていました」 元夫と離婚する前にも、美保さんは父親から「30を過ぎた子持ちのお前はもう今の旦那以上のスペックの男とは結婚できないが、本当にいいのか?　女ひとり、一生独身でいいのか?」と何度も念を押されたそう。 我が子を思う親の気持ちはわからなくもありませんが、たしかに偏った発言です。 「でもこんなふうに父から何度も言い聞かされたおかげで、『私はもう男性には頼れない、頼らない。自分でがんばって、娘と2人で幸せになるしかない』という覚悟をしっかり固められたと思います。 実際、いくらスペックが高い男性でも愛がなければ不幸でしかないことは十分学んだので、当時は再婚願望はありませんでした。まずはとにかく私の人生、生活を立て直そうと決めたんです」