“素人役者”の見得に喝采!市民ら総勢100名が”新作”地歌舞伎に初挑戦、花道・アクション・文楽を駆使した現代版舞台に反響続々「地歌舞伎に、今までにはない親しみをもつことができた」 岐阜・中津川市
脚本を担当したのは、中津川市で地歌舞伎の振付師として活躍する岩井紫麻さん。10歳で地歌舞伎の初舞台を踏んだ岩井さんですが、「脚本」を手掛けるのは初めて。 以前より、「いつか原案をもとに地歌舞伎公演ができたらいいですね」と未来のビジョンに思いを馳せていたという、原作者・仲野マリさんと東濃歌舞伎中津川歌舞伎保存会。中津川市役所から「清流の国ぎふ」文化祭2024の事業として、新作地歌舞伎の創作・公演の打診を受けたことから、地歌舞伎に長く携わってきた岩井さんに声がかかったといいます。
“地元の見知った人”が出演することによって、応援の掛け声「大向こう」や「おひねり」が飛びかうのも、地歌舞伎の魅力。芝居小屋では飲食自由で、中津川市などの芝居小屋では、朴葉ずしや五平餅などの郷土料理を味わいながら観劇することができるといいます。また、観客と舞台の距離が近いため、役者の所作を間近で見ることができ、素人役者の見得が決まる場面では大きな歓声が沸き起こるのも地歌舞伎ならでは。 そんな特徴も再現するかのように、今回行われた新作公演も、脚本の岩井さんをはじめ、役者、顔師、着付師、裏方など公演に携わるすべての人々が地元出身者。市民を中心に100人が参加し、舞台を盛り上げました。 公演後、観客からは地歌舞伎に親しみを感じた声や舞台の演出を評価する声など反響が続々。中津川市によると、「歌舞伎のセリフ回しや内容を知らないと楽しめないと思っていたが、この公演はとても分かりやすく、素人でもとても楽しめた」、「ホールの舞台施設、とりわけ花道を使った演出がすばらしかった」など、さまざまな感想が寄せられたといいます。
公演終了後、岩井さんは「壮大なプロジェクトが、やっと終わったという思いです」と話しながらも、「やってみないと分からない部分が多々あり、修正箇所、問題点が見えたので、これで終わりではなく、ちゃんとした本に、芝居に仕上げなくてはと思っております」と今後の課題を整理。 公演に参加した市民らの様子については、「役者は皆さん、“稽古ロス”になっております。連日連夜の稽古がなくなり、寂しいと言う声がありました。一つのことに向かって一丸となり、やり遂げた感がある様です。皆さん楽しめたのではないかと思います」と明かしました。
“日本一の地歌舞伎どころ”が、市民一丸となって挑んだ新作地歌舞伎。 観客たちから、「これを機会に、地歌舞伎を見に行こうと思う」、「実際の地名なども出てきていることで、今までにはない親しみをもつことができた」など声も寄せられたことから、参加者から観客まで幅広い人々が地歌舞伎の魅力を知るキッカケになったようです。